第1章 三頭の雷獣(サンダー・ケルベロス)

第98話誤解

4月4日


俺ー木山廉は朝のリビングで箸を止め、考えていた。

今日は北海道支部の代表達が東京本部に交流会としてやってくる。

俺が新入生代表で無ければ問題は無いもなかった。しかし、今日俺は北海道支部の神田翔と戦う事になっている。

紫音の話だと神田翔は神田家の人間らしく、雷属性の魔法を得意とした家系らしく、賢者の石を守る役目もする家系らしい。

そんな相手が弱い訳が無い。朝からそんな事を考えているからなのか箸が全く進まない。

そんな俺に舞は心配してチラチラと見てくる。

話しかけるか、話しかけないのか考えている様だ。

……はぁぁ


「どうかしたか?」


俺は舞に聞いてみた。

大体の予想はつくけど……


「どうしたって、それはこっちのセリフ」

「今日の事を考えてるだけだ」

「交流会楽しみだよね」


舞の言う通り代表で無ければ楽しむことも出来たろうが檜山仁に変わって新入生代表になった今は全く楽しむ要素が無い。朝からテンションが下がる。

玲奈さんがせっかく作ってくれたんだから食べないと、俺は食べ始める。

……旨い。

一度食べると止まらない。

……全部食べきっていた。まぁ腹減っていたからなぁ。

腹が満たされ俺と舞は学校を目指す。

交流会があるからかいつもよりも人が多い。

人混みが嫌いな俺にとって一番嫌いな時間になる。

早く、学校に行こう。


「キョロキョロとしている人が多いね」

「そうか?」


そんな事全く気にしてなかった。

確かに多い。

北海道支部の人か?それとも警備をやっている人か?

とにかく、早く学校に行こう。


「早く行こうぜ」

「辛そうだね」


舞はニヤニヤと俺を小馬鹿にする様に告げた。

俺はそんな舞を置いていき一人学校を目指す。舞はその後追いかけてきた。

東京本部の高校一年の異能力クラスに着いた俺は自身の席に座る。


「おはよう、廉」


俺の前の席に座る佐倉紫音は俺が座ると同時に声をかけてきた。


「そう言えば昨日学校に来なかったけど、どうかしたのか?」


紫音は昨日担任の教師に呼ばれてから1日姿を見なかった。

何かあったのだろうか?


「何も無いよ」


……どこか、違和感がある様な気もする。

……気のせいか?


「そうか。なら良いけど……」


紫音がそう言うなら、それ以上は何も聞かない。

俺のクラスの立ち位置はあの時から何も変わっていない。

檜山仁を闇討ちしたと言う噂は未だに誤解は解けずに、卑怯者として噂されている。これがどうやれば無くなるのか全く分からない。

そんな噂をされている俺だが、俺を信じてくれる舞と紫音の為、早くこの誤解を解かないと。

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