第47話 月下氷神(コールド・レイト)

上原氷雪に上原氷月二人共出来ればもう関わりたく無い。


氷月の月下氷神(コールド・レイト)は出せる氷が極端に少なく、扱いが難しい能力だが……神能力をここまで扱う人間は少ない。


素直に氷月の事は尊敬出来る。


ざわざわと賑わう声がする。


入り口が騒がしいな。


誰か来たのか?


上原家の人間と取り巻きは未だに僕が造った氷の薔薇に巻き付いている。


氷の薔薇には刺があり、動けば刺に突き刺さる為じっとしている。


誰か来る前に能力を解かないと、僕は能力を解除した。




「紫音、あいつら許すの?」




氷月は僕の右腕を掴み聞いてきた。




「許すよ」


「紫音が良いなら良いけど」




氷月は渋々納得してくれたのか?


氷月は地べたに転がる三人を見つめる。




「紫音てめえ、何をしたかわかってるのか?」




さっきまで氷の薔薇に巻き付かれていた上原家の男は周りに居る人達に構う事なく怒鳴り散らす。




「黙れ」




氷月は男達を睨みつけながら言った。




「氷月、そいつを庇うのか?」


「守るわ……許嫁として」




許嫁か。


確かに僕と氷月は許嫁だ。


上原家の男と取り巻きの地面は凍り付く。


僕は氷月に目を向ける。


月下氷神(コールド・レイト)だ。間違い無い。


これであの三人は氷月のテリトリー内だ。


氷月はいつでもあの三人に干渉出来る。




「どうするか?」




氷月は僕の右腕から手を放し僕の前に立つ。


どうするつもりだ?




「逃げてくれ」


「悪魔め」




取り巻きの二人は上原家の男を殴り始めた。


月下氷神(コールド・レイト)は氷に触れている人間、物を自在に操る事が出来る。


あの能力から逃げるには氷月本人を倒すか氷を破壊するしか無い。


氷はあの三人の地面にある。


三人は氷月の管理下自由に動ける訳も無い。


従ってあの三人は逃れようも無い。




「氷月、もう良いだろう」


「駄目だよ。こいつらこのままだと紫音に危害を加えるつもりだよ。ここで終わらせないと」




終わらせる?


殺すつもりか?




「氷月、待て」




僕は氷月の肩に手を置き、説得してみる。


出来るかは分からない。




「……駄目、ダメ、だめ、無理だよ。こいつらは紫音に危害を加えすぎた」


「僕なら、大丈夫だよ。頼むから許してあげて」


「……相変わらず、優しいね。紫音」




三人の下の地面の氷は無くなっていく。


殴られ続けた上原家の男は倒れ、動かなくなっている。


月下氷神(コールド・レイト)により無理矢理立たされていたのだろう。


それが無くなり、倒れたんだろう。


殴り続けていた取り巻きの二人は殴り疲れたのか、地面に腰かけている。




「氷月、此方に行こう」


「うん。良いよ」




氷月は明るく答えた。


このままここに居ると氷月がいつ能力を使うか分からない。


距離を取れば大丈夫だろう。


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