流れる 2

 女将に夜そちらによると伝言をしておいた。

 書類整理をして一人事務所を後にする。ボンにどう切り出すか決まらない。どうやらサエはフミコと夜ラブホテルに泊まったようだ。風呂に入って腕を切ったようだ。

「久ぶりだね」

 先にボンが座っていてビールを飲んでいる。

「フミコとはどうする気だ?」

「親父にはいくら言ってもだめだと思うんだ。でも結婚する」

「サエがなあ、昨日病院についていったんだ」

「サエに子供ができた?」

「いや、フミコにだ」

「そんなに早く?」

「ボンのじゃない。父親のだ」

 言った私が一瞬凍りついた。冷蔵棚のガラスに映っているボンの顔を見ている。表情が読めない。フミコは父親に何度も襲われて逃げてきた。充分可能性はあったのだ。だがまさかそう現実に出くわすとは思ってもいなかった。

「育てる」

「いいのか?」

 大きく頷くボンの顔を正面から見た。

「今のことを彼女の前でも言うんだ」

 そう言って手を引っ張るように通りを走る。だが途中でボンが追い越してやぶ医者の階段を上がる。そこには肩を抱いているサエと俯いているフミコがいた。ボンは動物の様な雄たけびをあげてフミコの唇に吸い付く。サエがそっと腕を引っ張って階段を降りる。

「今日はホテルに泊まる?」

「いいのか?」

「我慢できないよ」










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