源三郎江戸日記(弟五部)32 半分まで来たので茶店で昼飯を食べる事にしたのです、馬に飼葉と水をやると、茶店のばあさんが岩魚の塩焼きがあるがいらんかねと言うので、茶と塩焼きを9本貰おう


源三郎江戸日記(弟五部)32


半分まで来たので茶店で昼飯を食べる事にしたのです、馬に飼葉と水をやると、茶店のばあさんが岩魚の塩焼きがあるがいらんかねと言うので、茶と塩焼きを9本貰おうかと言うと有難う、

ごぜえやすと喜んだのです、岩魚焼をもって来たので食べると中々の塩加減です、美味い焼き方だと言うと、何処までいきなさるのかねと聞くの今日はちょっと道を外れるが塩原温泉に、

行き温泉に入ろうと思うていると言うと、


温泉に行く峠には時々追いはぎがでるらしいだ、気をつけなされ、20人はいるみたいで、代官所も手が出せないらしいと言うので、それは旅の者は難儀な事じあなと言うと、金持ちと、

みれば襲ってくるそうだ、旦那さん達はお武家だから襲わんと思うが、そちらの御隠居さんは身なりも良いので気をつけなされ、このお武家様と一緒に行くといいだと言うと、となり、

の席で茶を飲んでいた二人連れが、


お武家様宜しいですかと言うので、かまわぬぞ、馬も疲れているからわし達も降りて歩いて行こうというと、有難う御座います、てまえは白河で質屋を商いしています、時衛門でこれは、

手代の新吉ですと言うので、わしは村上源三郎じあ所要で南部藩に行く途中じあと言うと、宇都宮へ商いに行きましての帰り道に御座います、ついでに温泉にでもつかろうと思いまして、

立寄る事にしたのですと言ったのです、


飛猿と才蔵が先に行き様子を見てきます、というと馬に乗り走っていったのです、それでは行こうというと、馬を引いてゆつくり歩いて行き、時衛門に白河はどうだと聞くと、松平基知、

様も藩財政は苦しいみたいです、土岐半之丞様を執政に杉浦徳左衛門様を郡奉行になされて改革されているようですが、過酷な税の取立てに百姓衆は大変なようですが、城下は賑わって、

いますと言うので、


質屋といえば金貸しが本業であろう儲かっているかと聞くと、ハイ、質草は山と蔵に入っていますと笑うので、どの位で流すのだと聞くと、お利息を払って下されば、何年でもお預かり、

しますが、3ケ月滞りますと売りに出しますと言うので、売れるのかと聞くと、売れる物しかお預かりしませんよ、と笑ったのです、そうそう先月にお武家様が刀を質入れして100両都合、

しましたが、


それがあの村正だったのです、調べましたが、それはもう怪しげな妖気を発する刀でした、封印して蔵にしまってありますと言うので、白河藩士なのかと聞くと、いいえ、城下に住むご、

浪人でして元は二本松藩士だったそうですと言うので、村正を持っている位じあから、藩の高禄取りであったのじあろうと言うと、今は城下で寺子屋をやっているそうですと話したので、

す、


もう少しで峠の入り口に差し掛かると、才蔵が帰って来て、峠の中腹に見張りが3人います、金持ちが通るのを見張っているのでしょう、仲間は裏の荒れ寺を隠れ家にしているようです、

そこに浪人が5人、女子1人にごろつきが、7人程たむろしております、見張っている奴は1人が弓を持っていますと言うので、総勢16人と言う事かそこに住んでいるのかと聞くと、いえ、

襲う時だけの隠れ家だと思います、


鍋釜も米らしき食べ物もありません、酒とくりと湯のみがあるのみですと言うので、そうすると普段は温泉街に住んでいるのだろう、顔を見られないように覆面をするか、殺して谷川に、

落として、口封じするのじあろう、許しておくわけには行かぬな、わしとエミに時衛門と新吉の4人なら襲うじあろう、山形達は迂回して山裾から銃撃してくれ、ここで1時待ち峠を登る、

やつらは前に立ちふさがり、


伏兵に弓を使うじあろう、才蔵と飛猿は仲間を呼びに行って、配置に着いたら、ひそかに始末してくれと言うと承知と言って山形達と山に分け入ったのです、それで行くぞ、2人とも心配、

するなお前達には怪我はさせぬ安心しろと言って、1時待つてさて行こうと峠を登っていったのです、中腹まで行くと前を12人の者が塞ぎ、そこの爺さん懐の金をだしなと言うので、追い、

はぎかと言うと、


浪人は引っ込んでいろ刀だけ置いてさつさと行けというので、そうはいかん、ここを通る旅の者は迷惑しておるので、叩き潰してやろうと言うと、おもしれえ、みんな叩き切れと言って、

刀と匕首を抜いたのです、その時どか~ん、どか~んと銃声が響き浪人5人が肩を射抜かれて転がったのです、お前達の伏兵はわしの手の者に打ち取らておるわと言うと、後の7人は、

わ~と言うと塩原方面へ逃げさつたのです、


5人の腰の物は総て抜き取り、手当てをしてやれと言うと山形達が手当てをしたので、5人はそこの木に縛りつけよと言って、木に縛りつけると、代官所の役人が捕縛にくるのでそれまで、

おとなしくしておれと言うと、峠を越えて塩原温泉に向ったのです、到着すると代官へ野党を木に縛りつけた、直ぐに捕縛に行くのだと言うと、ハハハッと言うと代官は手代を連れて峠、

に向ったのです、


源三郎達は温泉宿に草鞋を脱ぎさつそく温泉に入りに行ったのです、大きな温泉で大勢の者が湯につかっています、温泉にたっぷり浸かり、汗を流して部屋に戻ると上がり酒が用意して、

あるので湯のみの酒をゴクゴクと飲み、これはたまらんと言うと、山形が良い湯ですねと言うので、一休みしたらいつもの通り巡察してくれと言ったのです、エミも上がって来てすっか、

り長湯をしてしまいました、


肌はつるつるになりましたと喜んでいたのです、代官かが部屋に入って来て野党は代官所の牢にいれましたと言うので、何人も人を殺めているじあろう、総てを吐かせて厳罰にせよと、

言うと、承知いたしましたと言うと、部屋を出て行ったのです、女将に湯治客で賑わっているようじあが、ごろつきはいないのかと聞くと、いますよ、こんな場所ですから遊び人が、

集まってくるんですよ、


どこかの博打場か寺に潜り込んでいるのですよ、中にはお手配中の者もいるとの事ですと言うので、この宿場でも悪さをしているのかと聞くと、その中にお銀と言う巾着切りがいるそう、

ですと言ったのです、それでは巡察に行きますと言うと、山形達は出て行き源三郎とエミも旅籠を出て町を歩いていると、温泉たまごを売っているので二つ買って食べて、中々美味いな、

と言うと、


売っていた娘に近隣の者かと聞くと、ハイ、ここから1里行った山間の村の者です、毎日ここに来て、湯治場に卵と野菜、山菜を売っているだと言うので、村の暮らしはどうだと聞くと、

棚田があるだけで米があまり取れんので大変です、わたしも近々何処かに奉公に行こうと思うていますと言うので、ここに屋台を出して商いしたらどうだと言うと、道具を買う金が1両、

はかかるだ、


毎日食うて行くだけで精一杯でそんな余分な金はないだよと言うので、よし、わしが作ってやろうと言うと、お武家様は大工仕事が出来るだかと聞くので、本当の大工より上手いぞと言、

って、材木をうっているところに行き、適当に板と棒を選び、大八車の上に囲炉裏を作り底を鉄板にして、鉄の台と四角い鉄の箱を鍛冶屋に頼み鍋の代わりに載るように細工して、灰を、

詰め込んで、囲炉裏の横に炭箱を作り、大八車は前につつかえ棒をつけて平衡になるようにしたのです、


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