あなたは孤独ですか?
あなたは孤独ですか?
今ならそれほど珍しくない問いかけかもしれない。Web記事だったり広告の見出しだったり、宗教の勧誘だったりと聞く機会がありそうな言葉ではある。
では、あなたの答えはYESかNOか。
NOと答えられる人は多いと思いたい、人は簡単には一人では生きていけないのだから。
ではYESと答えた人はどうだろうか?
アパートの一室で友達と思っていた人たちからの連絡は学校を出てからなく、仕事の連絡があればいい方で、流れ作業のような仕事なら仕事場でも知り合いはできずに昼休憩に食堂のテレビを観ながら、もしかしたらスマホ画面から顔を上げることなくご飯を食べているかもしれない。
電話の履歴を見ても勧誘の電話か不動産などからの詐欺のような営業電話のみ。
こんな状態の人たちは自身を孤独であると判断するかもしれない。
しかし、NOと答えた人に伝えたように『人は簡単には一人では生きていけない』
そんなことを言えば間違いなく、孤独を感じている人は都会で人のすれ違いの中で自身が孤独であることを再認識できる人たちから自分が如何に孤独であるかを語って教えてくれる。
世の中で森の中で自給自足をして誰ともかかわらずに、電気も水も届いていないような辺境の地で暮らしているならその人物は孤独であると主張されても否定できないが、人類の文明の中で生きている限りには孤独であることはかなり難しい生き方である。
まずは孤独とは何か、さしびしいことである。
一本の棒があなたとしてその棒がまっすぐに立っている、そこに支えがない状態が孤独という状態である。よりどころもなく自身だけでは立っていることができない状態こそが孤独という状態だ。
1本の棒だけが立っている姿を見れば寂しいと思うだろう、そこに支えとなる木があるならそれは孤独な状態ではないといえるのではないか。
孤独と言っているあなたが、1本の棒とするならそれを支えるのが友人や親、もしかしたらペットかもしれないがNOと答えた人には支えてくれる何かがあるはずである。
そんな支えてくれる何かがない貴方が孤独と考えてしまう理由は、自分が知覚している範囲の狭さである。
先ほどたとえに出たペット、親、友人と目に見え近くにある人間関係をを支えてくれる棒として考えるとそこで自分を支えてくれる棒の存在を見落としてしまう。
人がいま世界を自由に支配しているのは集団の力を持っているからだ。ユヴァル・ノア・ハラリの書籍『ホモサピエンス』では人が神という存在を作り出し、ダンバー数を越える集団としてまとまることができるようになったことで、新天地に行くごとにそこでは繁栄している他のサピエンス滅ぼし世界を支配してきた。
集団という力こそが人類が得たもっとも強い力の1つである。その力を得てから何万年という月日の間に人類はその力を最大限に利用できるようにコミュニケーションの力を強める方向へと適応を続けてきた。
そんな人類が、孤独という状態に耐えられるはずもなく、孤独ということを認識するとうつ病などの心の病へといたってしまう。だが、これは現代に多い病気であり、心の病になる人は昔はそこまで多くなかった。そこには家族や村といった集団に属していないものは死ぬしかないからであり、病気になる前に物理的な理由で死に至る。
孤独という状態でいると勘違いできるようになったのは近代以降の話であり、そんなことをしていれば近代以前なら死にいたっているだろう。
そんな話を聞いても貴方が心に抱く孤独は解消されないだろうがヒントはあった。人は集団を作ることで繁栄してきたということだ。
では考えてもみよう貴方が属している集団とは何かである。
仕事先は淡々と仕事をしているだけで歯車のように働いているから、集団に属していないと考えるかもしれない、学校時代の友達たちはどうだろうか。彼らとも連絡も取っていないしとるきもおきないというならどちらの集団にも今更は入れない。
もう少し拡張して貴方が住んでいる町はどうだろうか?
役場に行って掲示物を見るとイベントだったり、地域のクラブのような教室がおこなわれているかもしれない。
それも無理ならさらに意識を広げてみよう。
日本という国の集団に属していると考えてみるのはどうだろうか、漠然として今度はわかりずらいし寄りそう存在も霧のよう感じてしまうかもしれない。
では、考え方をもう少し変えてみよう。
貴方はハサミが必要になり、ダイソーに買いに行くと100円で購入する。
貴方の支払った100円はお店にわたり、店員の給料となり、ハサミを買った代金はインドネシアのハサミを作っている労働者の給料となる。ここにはハサミを造った側と買った側の細いながらもつながりが存在する。貴方が買わなければ作った人には生活ができないかもしれない。そうではないかもしれないが、断言する要素はどこにもないのだから、可能性としてはハサミを造った人が貴方のおかげで生活できている可能性はある。
貴方は生活をするために様々なものを購入して幾たびに細いつながりが出来てる。それは集団というつながりの1つと認識の範囲を広げていけば感じることができる。
常に感じることができるものでもないし、友達や親のように目に見えるものでもないために少し考える時間が必要な認識ではあるが、自身が孤独であるという人は自分がどんなつながりがあるのかをかなり時間を取って考えてみてはどうだろうか。
常に黒い服を着ている男がいたが彼曰く常に毎日がだれかの命日なので黒服を着ているという人がいる、その逆に毎日だれかの誕生日で祝っている人がいるかもしれない。
そこまでアドラーいうところの共同体感覚を持つ必要ないが、自分が誰とつながっているかを考えることは時間はかかるが、1人でいる恐怖を孤独を少しやわらげてくれる。
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