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「どこに行っていたんだ」と、僕の再開の第一声は、確かそんな感じだった。「ちょっとね」と彼女は返したと思う。「この戦いを終わらせるためにかえってきたの」と続けた。これはハッキリ覚えている。かえって。帰って。還って。彼女は生き還ったのだろうか。実際に訊いた。だが、何も答えなかった。代わりに満面の笑みを見せてきた。それだけだった。その時は何もわからなかった。 そして、二人で「岩」を攻撃した。具現化を使って、大量の爆弾を、岩面のそこら中にばら撒いた。それだけではない。シールドを張り、爆発と同時に、岩全体に打撃を加える。その打撃を、彼女が行った。こんな書き方をすれば、この打撃が彼女の能力だと思うかもしれないが、実際は違う。念の為に述べておくと、僕みたいに複数の能力を持っているわけでもない。シールドを破り、敵の攻撃が彼女を貫いた時のことだ。彼女は死んだ。だが、すぐに動いた。彼女の能力が蘇生だったからだ。

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