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戦いを重ねるに連れて、敵の弱点というものは自ずと明らかになってくるし、その弱点を第一に狙った形での攻撃方法が主流になってくる。これは当然のことだ。だけど僕は何故だろう。段々と定着していく戦法に、嫌気が差してきていた。手を変え品を変え技を変え。そこに加えて場所も時間も何もかも変わる。僕らの戦いはそういうもので、同じ敵は二度と出てこないし、戦う時間も場所も次元も、似通りはするけど、同じじゃない。だから結局戦法も変わる。はず。そのはずなのに、僕はどういうわけかこの戦いに、細かくは言い表せない共通点のようなものを感じ取っていた。弱点を探してそこを一点に叩く。そして極めて効率的に敵を倒す。僕が感じ取った共通点をギリギリ言語化できるとしたらこれが限度だ。この二点を中心に、敵を倒していくのだ。作業的で、機械的。次第にそう思うようになっていった僕は、いつの間にか日常というものを錯覚するようになっていった。
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