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眠っているみたいに安らかな死に顔、ではなくて、寝ているときはすこし死んでいるのだ。だってそうでなければこんなに安らかな、穏やかな、そんな顔ができるはずがないもの。
毎朝、同じ時間に目覚ましをかけて、鉄の箱にぎゅうぎゅうづめになって運ばれて、貴金属のつまった板とにらめっこして、自分が悪くなくたって、申し訳ございませんでしたと45度。
死ぬことでしか、止まれない、逃げられない、休まらない、強制スクロールの世界だ。
きみは、今日も死ぬ。どんなに揺すってもつついても、絶対に起きることはない。ひとり残され途方にくれるぼくのことは、きっと忘れてしまっているんだろうな。
きみは、今日も死ぬ。
明日をまた生きるために。すこし休んで、そして目を覚ましたら、またにっこり笑って頑張るために。
「ねぇ、今のきみのかお、いつもよりすこし間抜けで幼くて、いつもの泣きそうな、下手な作り笑顔なんかよりも、ずっと、ずっとすてきだ。」
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