サイデルよ、僕は来た

怖いのはどっち?



僕は1ヶ月を経て、ようやくサイデルという大きな街へ訪れた。


先に冒険者ギルドへ行こう。フードを深く被り下を向いて歩く。ここまで人が多い場所に来るのは小学生以来だ。

は、吐きそう‥


ぶつからないよう人の気配に注意しつつ、冒険者ギルドへ。事前に百科事典でギルドや宿屋の位置を調べておいて良かった。


ここが百科事典に載ってた所だ。大きな看板で『冒険者ギルドへようこそ!』と掲げられている。



イメージ通りなら、おっかない人達ばかりなんだろうなぁ



もうすでに心はノックアウト寸前。


なるべく視線が合わないように気をつける。

ドアを開けると、彼方此方から視線が来る。脳内お経モードで意識を保つ。ちらっと見えた受付っぽい所に行く。


幸い誰も並んでない。


「ようこそ冒険者ギルドへ!ご依頼でしょうか?」


声から判断で受付さんは女性のようだ。

なけなしの勇気を振り絞る。


「あ、あの依頼ではなくて、ぎギルド登録に来ました‥」


「あら、そうですか。ただ登録は、12歳以上からになります。ご年齢はおいくつでしょうか?こちらの水晶に手を当てながら答えていただけますか。」


「は、はい! 13歳です。」


受付さんは、水晶が青くなるのを確認し話を続ける。


「では、登録手続きを進めましょう。冒険者ギルドについてご説明をいたしますね。」

「あ、あの事前にぼ、冒険者について調べて来ましたので、だ大丈夫でしゅ‥」


「……可愛い」

「へ?」

「いえ、なんでもございません。では、こちらの紙に名前と年齢あと可能なら出来ることを。書いて頂いた方がパーティを組みやすいですよ。」


紙に必要最低限のことを書いていく。

出来ることは、魔法と剣術を少々にしとこう。僕が誰かとコンビを組むなんて無いだろうし。


「おい、なんでこんな所にガキがいやがるんだ?」


後ろから物騒な声が聞こえる。

嫌な予感が増しまし。


「おい、てめぇに聞いてんだよ!こっちを向けよ!」


ああ、注目がこちらに集まるからやめてほしい。

体が震える。


「おいおい、びびってのぐらふぁっ!」


言い切る前に変な声が出てる。

僕は思わず顔を向ける。


先ほどまで僕の担当をしていた受付さんが、怒鳴ってた人にドロップキックをかましていた。

そのままマウントをとって、容赦なく殴り続けている。

僕だけでなくみんなの顔が青くなっている。


「ふふ、ジョーズさん。ギルド内での問題事は禁止じゃないですかー。なにこんな愛らしい子に突っかかってんですか?あぁん?聞いてますかー?」


受付さん、ジョーズっていう人はもう意識がないと思います。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る