小話 ドコ?ドコニイルノォ‥2
私は、庭にいる兵達に指示を出す。
「みんなも聞いていると思うけど、あのオークとの戦いは何者かによる強烈な風魔法で終わったとされているわ。でも私は見たわ、黒髪の少年を。あの方が直接倒したと思うの。」
「あのーしかし、アリシア様。現場にいた者達は誰も見ていないと言ってます。失礼ながら、本当に見たのですか?」
「ええ、間違いなくね。でも、信じられないのも分かるわ。けれどね、少なくとも人為的にあの風が吹いたのは事実。そうよね、カルロス?」
「はっ、確実に人為的に起きた風でしょう。」
「だから、私が見た黒髪の少年を探すの。真相は本人に聞けば簡単よ。」
ふふんと胸を張る。
「私の推測では、少年はこの街にいるわ。オークに襲われた位置から最も近いのはこの街ですからね。」
「しかし、遠回りでも別の街ってこともありえますが‥」
それは多いに可能性がある。私達に声をかけず去っていったのも関わりたくなかったからかもしれない。
胸が鈍くズキズキと痛い。
「その可能性もあるわ。‥その時は諦めるつもりよ。でも、一週間の猶予までは決してめげないわ!」
「それでこそ、アリシア様です。」
カルロス様が微笑ましそうに賛同してくださる。
「まず二手に分かれて、ディー率いる部隊は門番の方々に黒髪の少年について聞いてきてちょうだい。カルロス、私達は宿屋や色んなギルドに聞いていきましょう。」
「は、かしこまりました!」
「お嬢、俺はこのままの姿なんですか?!」
フリフリミニスカートのメイド服着た変態が抗議をしてくる。
「当たり前よ! さぁ、みんな散開!」
こうして、私達の調査が始まった。
そして、一週間後。
「みんな、お疲れ様。戦果を報告していただけるかしら?」
皆それぞれ暗い顔をしている。ディーは小さい声でメイド怖いと呟いている。
毎日脱いでも、すぐににこにこメイド部隊が捕獲してたものね。
結果はなんとなく察せれる。
「アリシア様‥‥何の成果も‥得られませんでした!」
カルロスが筆頭に一斉に頭を下げる。
「そう‥別の街に行ったのかもしれないわね。みんな、ありがとう。」
結局、見つからなかった。
黒髪はこの世界には少ない。だから、すぐに見つかるかと思ったけど‥
「アリシア様‥」
「心配しなくても大丈夫よ。お礼言えなくて残念って思っただけだから。」
このまま調査部隊は解散した。
でも、諦めない。
必ず会えるはず。
そして、私は今日も専属護衛を連れてこっそりと街に出掛ける。
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