第84話 あほ

「ん…」

身体はまだ少し怠いが起き上がれない程ではないので、リビングへ降りていく。


「おはよう、大丈夫なの?」

母さんが朝食を作りながら聞いてくる


「まあ、昨日よりかはマシかな」

「そう、お粥作ろうか?」

流石に昨日から何も食べていないので、お粥を作ってもらうことにした。



「いただきます…」

一気に掻きこむと胃が拒否するのでゆっくりと食べていった。


「ご馳走様でした…」

いつもなら10分くらいで済ませるのに30分もかかったので新鮮な感じがする


「あ、おはよう。具合大丈夫?」

京が起きてきた。

「おはよう、昨日よりマシかな」

風邪をうつすと悪いので薬を飲んで 自分の部屋に戻ることにした。階段で燐に会い体調を聞かれた。


「ふぅ…、午前中寝て京からコピーさせてもらったノートでも写すか」

スマホの電源を入れたところで春からメッセがきていた。


『体調大丈夫?、あんまり無理しないでね』

「ありがとう、体調はだいぶ良くなってきたよ」っとこんな感じでいいだろう。

返信をした後目覚ましをかけて眠りについた。


「お母さん、今日学校休むね」

「何いってんの、さっさと行って来なさい」

全く、ブラコンが過ぎないかなと最近思い始めました。


「だって、昨日私がもう少し遅く帰って来てたらお兄ちゃん死んでたんだよ?だから、今日は私が看病してあげる。もちろん、勉強もするからいいでしょ?」

最後の方はアレとして、最初の方はその通りだからな…

「やっぱダメ、行って来なさい」

追い出すかたちで燐を外へ出した。



ん…?なんか隣から寝息が聞こえるんだが…

等々、頭が逝っちゃったか?

「燐!?、学校に行ってるんじゃないのか?」

「ん…?あっ、お兄ちゃんおはよ」

「うん、おはよ。じゃなくて、お前今年受験だろ?なんで家に居るんだよ」

「え?そんなのお兄ちゃんが心配だったからに決まってるじゃん」

なに当たり前のこと聞いてるの?みたいな顔しないで頂けますかねぇ…

「燐、今からでも学校へ行ってこい。」

「えー、大丈夫だよー」

「ダメだ。早く行ってこい」

怒気を孕んだ声で言ったので燐は渋々学校へ向かった。

「看病してくれるのは嬉しいけど、燐には自分のことを最優先にしてほしい」

だから、嫌われるの覚悟で怒った。

燐は俺達と同じ高校へ進学するらしいので、

気を抜かないで頑張ってほしい。

それが、お兄ちゃんからの願いだ。


11:10分で予定より早く起きてしまったので、ノートを書き写すことにしたが、思い出した。

「スキーだからなんもノートに写すのないわ…」

アホをかましたのでもう一度寝ることにした。


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