テーブルマナー

「そこぉー!!箸の持ち方が悪い!」

「そこぉー!!携帯をいじりながら食事をするな!」

「そこぉー!!くちゃくちゃ食うな!マナー以前の問題だー!」


外が橙色に染まる時間にテーブルの上を囲む若者らが居た。

その若者らを鬼教官の如く叱る、老人が居た。

老人は飯にありつく人らを一喝して、マナーを厳守させている。


「全く、皆はマナーの大事さを理解していない」

「規則を守ることは人の幸福に繋がる。マナーを守ることは人の笑顔に繋がる」

「礼儀を蔑ろにしたり、人が不快になる行為は断じて慎め!」




若者らは食事を中断し、老人を押さえつける。


「なら俺らを不快にするお前の説教も慎んでもらおうか」


そのまま老人を縛り上げ、外へ放り投げる。




放り投げられた老人、唸り声を上げもがく。

そこへ通りかかった主婦、慌てて老人を助ける。


「一体どうしたのですか!?」

「ワシはテーブルマナーが悪いので注意をしていた。そしたらこの仕打ちだ!」


主婦は老人を連れ、人らの前に仁王立ち。

「マナーを大切になさい!老人に優しくなさい!」




若者らは渋々言う事を聞く。

老人は嬉々としてマナーを説く。

しかし若者らは気づいている。




この老人も口を開けて物を食べている事を。




この老人はただ若者が嫌いなだけな事を。




この老人がそれらに気づいてない事を。

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