【2】奪われたキス

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 ――翌日、ユーツな気分のまま出勤する。ロッカールームで白衣に着替えていると、ハイテンションな茜が背後からギュッと抱き着いた。


「おっはよ~雫!カッコイイじゃん、中居さん。久々ホームランだね」


「えっ?そ、そうかな?デッドボールだよ」


「いいね。彼にならデッドボールされたい。ドストライクゾーンだよ」


「あんな奴のどこがドストライクなのよ。即刻レッドカードだよ」


 もう唇にデッドボールなんだから。


「えっ?何で?レッドカードなの?」


 ポカンとしている茜に、思わず焦る。


「いや、な、何でもない」


 あいつにキスされた唇をキュッと結ぶ。

 ジンジンと胸が痛んだ。


「茜、あの人さ。恋人がいるんだよ。昨日来てたよ」


「ああ、あの派手な人ね。中居さんはカッコイイけど、私にはつよしがいるから、別にいいの」


「剛って、SNSの?会ったこともないでしょ?」


「会わなくったって、SNSのやり取りでちゃんと通じ合うものがあるから大丈夫なの!それに、実は今度ね……会うんだよ。画像送ったら、『会いませんか?』って、メールがきたの。だから、四人で会うことにしたんだ」


「は?四人って何?誰と誰が会うの?」


「ごめん!雫とのツーショット送ったんだ。そしたら、向こうも友達呼ぶから、四人で会おうって。意気投合しちゃって」


「えー!まじで?勘弁してよ。私、そういう出会い系みたいなの嫌なのよ。茜も知ってるでしょ?知らない人に勝手に画像送らないで。会うなら二人で会ってよね。私を巻き込まないで」


「やだ、お願い。頼むから、一生のお願い!」

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