第14話 野菜たち
家庭菜園をやっている。
今年の春に少し面積を増やせたので、品数も増えている。
今年の夏は暑かったので、ナスやトマトが暑さでやられたようであまりうまく育たなかった。
この間、白菜の苗を植えたが、暑さが続いたおかげで、こちらは順調に育った。白菜はこれから葉が巻き始める。中に青虫がつくと喰われてしまうので防虫網をかけている。
ところが、数日前に畑に行ったところ、一つの白菜の葉が穴だらけになっていた。明らかに何かが食べている。葉の間をこじあけるようにして見たが、犯人の青虫が見つからない。淡い緑色のフンはたくさんあるのに。悔しいので、白菜の葉をできるだけ広げてみた。寒さで弱るようになればいい。
今日、畑に行ってみた。犯人は弱っていないらしい。白菜の葉は相変わらず穴だらけだ。そして、葉の間をかきわけてみてみたが、犯人はみつからない。だいぶ中心まで喰われてしまって、このまま葉が立ったところで中は完全に喰われてしまうだろう。人間の食べる部分がなくなってしまう。
仕方がない。悔しいが収穫することにした。根本で切って、犯人を見つけるべく一枚一枚葉を剥がしていく。フンが大量にあるので、どんな大きな青虫が出てくるのかとドキドキしながら剥がしていく。
出てきたのは太ったナメクジ1匹だった。ナメクジって白菜も食べるのか。お腹がぽこんと膨れていて、肥満っぽい体形なのが腹立たしい。踏みつぶすのがいいのだろうけど、なんだか気後れしてしまった。枯れた草や地面にいるイメージのナメクジだが、そういえばイチゴの実やコスモスの若葉を食われたことがあったので、新鮮な葉も食べるのだろう。
青虫ばかり敵視していたが、ナメクジも敵だと覚えておこう。
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