Works:226〜Runner of the Sun〜
急がないと
もうすぐ日が沈む
そう呟くのは少女だ
夕暮れに身を染めながら駆ける
追い立てるように
或いは追い立てられるように
速い
だが足りない
少女が姿勢を更に低くする
前傾姿勢を強くした
地を蹴る足元から音を響かせながら
流れる汗を拭うのも忘れて
走る
疾走る
前だけにしか興味がない
そんな風に映る少女
しかし刹那後ろに視線を飛ばす
見たのは空と大地の境
満月が姿を見せようとしていた
月に捕まるまいと少女は走る
息があがる
心臓の音はうるさいぐらいだ
ダメか
やはり届かないのか
少女の走りが揺らぎかける
その時だ
行けよ
行くんだろう!
突然耳に入ってきたのは周りの声
誰もが声をあげたいた
手を振る者
跳ねる者もいる
声援
それを燃料にするかのように力が戻った
そして夜の帳が空を覆った
その中に少女はいない
おい…
やっちまったよ
群衆から声がもれる
おおおおおおお!!
それはすぐに歓声へと変わった
鳴り止まない
一方少女はというと
陽の光を浴びて大の字になっていた
はー
疲れたわー
言いつつ体を起こす
眩しげに目を細め
再び地に附した
寝息を立てるまでそれほどの時間はかからない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます