Works:220~碧青のソラ~

深く

もっと深く


かつてそう考えた者達がいた

ただひたすらに


愚直

その二文字を体現するかのように


彼らは海に挑んだ

限界など超えながら深く潜る


船体は軋み

歪みながらも進む


刹那

全ての音が消えた


静寂

それを破ったのは誰の呟きか


門だ

門があるぞ


彼らに後退という考えはなかった

選ぶのは進撃


艦長が重く叫ぶ

Go ahead、と


音のない世界では時間感覚も失う

数瞬とも永遠ともわからない時間が過ぎる


それでも碧を掻き分けて船は進む

一瞬の浮遊感


それは門を抜けた証拠だ

彼らの目に飛び込んできたのは圧倒的な青


辿り着いたのは新世界

船は空を泳いでいる


碧を超えて青へ

それでも願いは変わらない


深く

もっと深く


青の先にあるものを目指し

彼らはただ行く

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