10代

私がその後、祖父の墓参りに行ったのも、祖母にあの事件以来再会したのも、兄に聖書を突きつけられたのも、姉にお前なんかいなきゃ良かったと言われたのも、ヒッチハイクの旅に出たのも、10代最後の一年間である19歳の時だった。そしてそのチャンスをくれたのは、" ずっと一緒にいるよ "と言ったあの人だった。そして、あの人と別れて、自由が丘の駅で死んでしまおうとしたのも19歳だった。10代の私が許せなかったものを、20代の私が許せるように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る