8『第8相ダイジェストと、今後』
甲「さて、長いようで短かったダイジェストも、今回で一先ずの区切りとなる。当初の目標であった『1話3000字以内』は見事達成されそうで何よりだ」
乙「……今日、月曜日ですけど」
甲「た、確かに月曜だが日が昇るまではゴールデンウイークということでひとつ……」
乙「どんな屁理屈ですか」
甲「1度スケジュール切り直したにもかかわらずはみ出るとか、どれだけ見通し甘かったんだろうねホント……まぁ、今回解説する第8相は石井達の闘争と逃走がメインだから、そこまで解説することもないんだけどさ」
Q1 この相はどんな展開が起こる?
乙「第8相のラストは。石井を呼び出した偽の三吾美恵が攫われた所で終わりました。彼女を拉致したのは、研究員の西山だった」
甲「……西山って誰?ってなってる読者諸兄も多いと思う。私もそうだし」
乙「石井が人肉と知らず成分分析に出したライバル企業の研究員ですね。第4相『餅は餅屋(ウチ以外の)』を読み返していただけると」
甲「ああ。そうだったそうだった」
乙「因みにこれは本編には書かれていない裏話になりますが、彼らは石井の件だけで誘拐を決心したわけでは無いんです。そこに更なる情報を流し、彼らを行動に移させたのは……左遷された唐津元課長だったりします」
甲「これによる彼の末路も一応考えてはいたんだけど、本編のボリュームを考えて省かれたんだよね」
乙「とかく、タイミングを同じくして三吾啓示と藤沢芳也の元に音声での脅迫状が届きます。三吾美恵の身柄と交換に要求されたのは、やはり研究のデータでした」
甲「攫われたのが偽物とあってか難色を示す三吾啓示と、彼女の安全を最優先に考える藤沢芳也……平行線を辿る2人の議論に、石井が割り込む」
乙「自らが現場に赴くと提案した彼が続けて立案したのは、蘇生薬と防護服によって強化された自らの身体能力を用いた作戦でした」
甲「あくまで何も知らされていない、更に薬の催眠下にある下っ端を装い、身柄とデータを交換する一瞬で相手の隙をつくわけだ」
乙「訝しむふたりへのデモンストレーションとばかりに、石井は蹴り1発で特注のサンドバッグを粉砕してみせますが――」
甲「その実、彼らにその力を振るうつもりはなかった。相手はあくまでただの一般人たちだ。薬に侵され『避けようのない死が迫っている』わけじゃないからね……そこを欺瞞に満ちていると取るか、譲れない一線を守っていると取るかは読み手次第だ」
乙「その後数々の見せ場とアクシデントの末、石井は見事偽の三吾美恵を奪い返します。割愛した彼の活躍っぷり、災難っぷりについては是非本編をお読みください」
甲「そして連れ帰った石井の部屋で、『
Q2 第0相と、これからについて
甲「これで第8相はおしまいだ。同時にこの超特急ダイジェストもとりあえずは幕となる」
乙「……ちょっと待ってください。次に控える第0相はどうするんです?偽三吾の過去と、物語の発端、超大事じゃないですか」
甲「あれは元々別作品としても成立するくらいの内容と密度を持ってる。解説するとなるとこのダイジェスト、話数が軽く倍行くよ」
乙「ダメじゃないですか。今から寝ないで書いたところで間に合わない」
甲「実はあんまり問題ない。ここで明かされる石井にとって……つまり本編にとって重要な情報は、本来モノローグ数行だけでも済ませられるほど、至極あっさりしたものだ」
乙「じゃあどうして、こんな長々と」
甲「言ったろ?別作品としても成立する内容と密度だって。勿論この第0相は後半になっての新キャラクターである月島美影に厚みを持たせる狙いがある。けど同時に彼女を主人公に全く別のテーマを乗せた、ひとつの中編でもあるのさ。だからタイトルに全く別の統一性を持たせてある」
乙「……なら、仮にここを全部すっ飛ばして、第9相を読み始めても問題はない?」
甲「ああ。ご丁寧に石井が要点を振り返るしね。ただ、こちらは蘇生薬というフィクション要素をより脇に除けた、現実で起こりうるある問題をベースにした話だ。その読みごたえは本編に引けを取らない」
乙「結局全部読んでほしいって事ですね」
甲「読まれなくてもいいって前提で話を書く作家はいないさ。だからこうしてダイジェストなんぞを組んでまで見られようとしているんだ」
乙「『死人になる前に』をあくまで石井の話とするなら、読まなくても問題ない。という事ですかね。結論としては」
甲「そんなところだ。さて、最後に今後の展開について少しばかり触れて、私達の話も結びとしようか」
乙「ええ。続く第9相からは研究における最後の鍵である石井の記憶を探り、そこから物語は終局へと向かいます」
甲「そこに待ち受けるのはもちろん最大の困難だ。今まで戦ってきた相手とは一線を画す最悪の相手を前に、それぞれの命運はどう決着を迎えるのか……石井と月島は人間を少しだけ越えた力を手にしているし、三吾と藤沢は途方もない程強大な権力と資力を持つ。一見無敵に見えるこのカルテットでも、運命の行く末までは操れない」
乙「だからぜひ、このダイジェストを読んでくれた読者諸兄にはその見届け人として、最後まで物語に寄り添って欲しい所です」
甲「名残は尽きないが、私達はここでお別れだ。ここまで付き合ってくれたことに、改めて感謝の言葉を述べさせてもらう。読んでくれて、本当にありがとう」
乙「それでは」
甲「また何処かで」
甲論乙駁~ダメ社員でも分かる!『死人になる前に』ダイジェスト~ 三ケ日 桐生 @kiryumikkabi
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