『独裁者はお好き?』
やましん(テンパー)
『独裁者はお好き?』
ある日、クーデターが起こりました。
その中心人物である『未来首相』というものが、いったい誰であるのかは、国民にはまるで、知らされてはおりませんでした。その姿も分かりませんでした。
彼は、あるいは彼女は、『人類第1主義』を打ち出し、国民は、かつて見たこともない奇妙な服しか、着ることを禁じられました。
『未来首相』は特に音楽がお嫌いで、奇々怪々な、騒音みたいな音楽以外は、ほとんどが禁止となりました。
首相に反論することは、即、死を意味しました。
大量のロボット兵士を連れていて、強力な武器があり、誰にも歯が立ちません。
放送はもちろん、学校や大学でも、首相が勧める音楽以外を教えることや聞くことは違法となり、これまでのテレビやラジオ、コンピューター機器などは、どんどん強制回収されてゆきました。
一方で国民は、新しい機器を購入するように強制されておりましたが、これらは、もともと、受信や通信ができる範囲が大幅に固定されておりました。
ようやく広がりつつあった、惑星周辺の開拓地の文化も、多くの異世界ビジネスマンたちも、むりやり排除されてしまい、ちょっとした鎖国状態になってしまいました。
首相は、外部に対する、圧倒的な武力行使も辞さないとして、準備していました。
それでも、それなりに経済が回っていたのには、秘密がありました。
『未来首相』は、革新的な食料生産技術と、エネルギー技術を自ら開発していて、この世界最大の会社を持っておりました。
そこでは、全国民が長期間生きて行ける固形食糧が大量に作られていました。あまり、美味しいわけではありません。
エネルギーは太陽から直に供給されていましたが、その効率は80%以上にも達しているらしくて、実に効率的で無駄がありませんでした。それは、すごい、テクニックでした。かつて、ダイソンリングと呼ばれた、ハイ・テクニックです。
さらに、最終兵器を開発して、惑星最高峰の上に鎮座させましたし、多数の新兵器を用意しました。
また、その武力の実力を示すためとして、『未来首相』は、小惑星をいくつか、消滅させて見せました。
🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌🙌
未来首相は、なんと、異様な姿の、宇宙人類だったのです。
名前は、『地球人アンチェスター』
地球人類は、かなりの昔に、戦争で自滅した筈でしたが、未来首相は、長く一族とともに、自らが作った人口惑星に冬眠潜伏したあと、密かに平和な火星に来ていたのです。
火星人類は、地球に見切りをつけた地球人類の子孫たちです。かなり、違う姿に進化していましたが。
地球人アンチェスターは、火星人類への積み重なる恨みを晴らすために、着々と権力を固めていたのです。
『われわれは、G1である。オンリーワンである。』
が、未来首相の口ぐせです。
『エウロパも、タイタンも、その他でしかない! 太陽系連合からは間も無く、離脱する。』
エウロパの、バッチ大統領は、懸念を表明していましたが、いまさら戦争して勝てる相手ではありません。
『あいつは、実は、火星の崩壊をさせたいだけだ。地球の幽霊だよ。』
と、言っていたのです。
タイタンの独裁者ブラムシ総統は、歓迎の意を表していました。
『いまこそ、私の出番だな。はははははは。』
と。
月の政府は、ひたすら沈黙を通していたのですが、地球文明の復活を目論んでいたのです。
その指導者は、謎の超能力者、ヘレナ女王さまでした。
いったい誰が、平和を取り戻せるでしょう?
火星の救世主は現れるのか?
残念ながら、無力な筆者には、いまだ、さっぱり分かりません。
先を書ける体力は、残っていないのです。
🪐 👾カセイジンチャウ
『独裁者はお好き?』 やましん(テンパー) @yamashin-2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます