第64話Regrets - 未練

64.


" Visiting A Grave 墓参り"



== 眞奈 + (寺の住職の妻)小夜==


 産後しばらくして落ち着いた頃に私は蓮さんのお墓参りに出掛けた。


 彼の墓は彼が勤めていたお寺に建っていた。

 しばらく手を合わせ、立ち上がると馴染みの顔である住職の奥さんの

小夜さんから声を掛けられた。



 「どうです、お子さんは元気ですか?」



 「はい、お陰様で元気に育ってます」



 「あなたの元の旦那さんと上手くいってますか?」



 小夜さんの質問に私は心底ビックリしてしまった。



 「あのぉ、どういうことでしょうか? 何故小夜さんが元夫のことを・・」





 「実は樋口さん、このところちょくちょく蓮さんのお墓参りに来てますよ」



 私は小夜さんの言葉に驚くしかなかった。瑛士さんが私たちを訪ねたばかりか

よもや蓮さんの墓参りまでしていたなんて、誰が想像できただろう。


 はぁ~、一体ほんとにもう・・どういうつもりなんだか。



 「あの人ね、あなたの元旦那さん、とっても・・本心から反省していると

思いますよ。私のほうから声をかけてお話させていただいたのだけれども

彼、かなり憔悴してましてね。まぁ、その姿を見てきっとあなたと今もあまり

上手くいってないのだろうと思いましたが」




 「実は数日前に私とやり直したいと私の実家に彼が来ました。

母が間に入りまして、返事はひとまず保留という形になっておりますが

私はもう断るつもりでいます。だって私にとつて彼はもう過去の・・

忘れてしまいたい存在でしかないんです」




 「そうでしたか。あなたの気持ちを察して、蓮さんにあなたとの

復縁が上手くいくようお願いする為もあってああやって頻繁に蓮さんの

お墓にいらしてたのかもしれませんね。何かいじらしいわね。あっ、ごめんなさい

あなたから見ればこんなこと言うと不謹慎かもしれないのに。でも、どうして

かしら? あの人を見ていると応援してあげたくなっちゃって。蓮さんもなかなか

いい男振りだったけど、あれね・・あなたの元の旦那さんもとってもカッコよくて

チャーミングな人ね。見た目だけじゃなくてすごく人を惹きつける雰囲気も

持っていて」



 はぁ・・イケメンでチャーミングでって・・どうでもいいんですけどぉ~。

浮気するような人間はいらないんですぅ。

 観賞用っていうか、自分の夫でなければそういうのもいいのかも

しれないけど、こと自分の夫となればそういう良い見かけと魅力的な性格で

他所の女性たちに魅力アピール振りまいて粉掛けるような男は困るんですよねぇ~。




 私の心の叫びなどお構いなしに更に小夜さんが言う。



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