第26話Regrets - 未練
26.
"Shocking Incident-衝撃的な事件3"
== 住職の妻 + 松本眞奈 ==
「あらあら、すごいことになっちゃったわね」
そう言いながら住職の奥さんがタオルハンカチで私の涙を拭って
くれて、その後手渡してくれた。
「当事者になるとそれくらいの気持ちになるのでしょうね」
そう言って奥さんは私の過激な物言いを責めずにいてくれた。
きっとあきれられていると思う。
だけどパートナーを簡単に裏切るような人をきれいごとで済ますわけには
いかないのだ。
「蓮さんの奥さんね、蓮さんの起訴が決まった日、蓮さんに泣いて許しを
請うたそうよ。自分が間違っていた、蓮さんを本当に愛している。だから
蓮さんが刑務所から出てくる日を自宅で待ってるって。蓮さんはね奥さんに
言ったの。君が待ってても待ってなくても、もう自宅には戻らない、君の元へは
戻らないって。ずっとね、奥さんは刑務所へも通い続けてたけれど蓮さんの決意を
覆すことはできなかったのよ。そして刑を終えた蓮さんはこのお寺で預かる
ことになったってわけ!」
「どうしてこの話を私にしたのですか?」
「ほんと、お節介でごめんなさいね。~っと、何ででしょうね」
とぼけたことを住職の奥さんは言う。
私と蓮さんのことに反対だから? こんな重要な個人のプライバシーを
話すなんて、って少し私はあきれてしまった。
私の思考が顔に出てたらしくて、住職の奥さんが困った顔になり
何かを思案しているように見えた。
それともあれだ・・前科のある人だから私に蓮さんとのつきあいを
やめさせようとしてのことなのかな?
私のことを思って? 蓮さんのことよりも?
いやいや、それもなんだかおかしいよね、理由としては。一体全体住職の
奥さんはどんな意図で私にこんな重大な話を打ち明けてきたのだろうか。
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