第14話Regrets - 未練

14.


"I'll forget the past and make a fresh start.

気持ちを切り替えて進む私 2."


== 樋口眞奈 + 樋口瑛士 ==




 私は特に夫の別の顔を知ってから寂しかった、ずっとね。


 品行方正で性交に淡白な夫との間に、もう随分長い間夫婦の関係が無くても

夫が敢えて望まぬのならと思い、一抹の寂しさはあったものの努めてこんな

夫婦の形もあるさと受け止めてきた。


 なのに実際は違っていたのだ。私の前にいる夫は、品行方正を演じていた

だけでその本質は全く違っていて、下ネタ大好きでエッチ好きな人間だった。


 どちらが本当の夫の姿なのだろう。


 自分の気持ちに蓋をして見ないようにしていたけど、いつも思ってた。


 どうして私たちは夫婦なのに・・

 私はあなたの妻なのに・・


 あなたは私の身体に触れようとしないのか、って。


 あなたの別の顔を知ってからは益々、どうして? 何故? って自分では

出せない答えを探し続けてきた。



 私はいつだってやさくし包んでくれるあなたのことが好き。だけど

今のあなたといても私の寂しさは埋まらなくて、兎のように寂しさで

死にそうになってた時に癒される場所と男性ひとに出会った。


 私の寂しさをすっぽりと包んでくれる人に。

 寂しいのは嫌。



 

・・・



「なぁ、俺のどこが・・何が・・いけなかった?」




「私の前のあなたはいつもやさしくて申し分のない夫だったわ」



「それならどうして離婚なんか・・」



「もう随分長い間私たち夫婦の関係が無いわよね。どうして?何故なの?

ってずっと私思ってた。でも聞けなかった。ね、どうしてなの? どうして

私を・・求めてこないの? もう女性として魅力を感じてないからなの?」



 私は別れを決意したことで、初めて聞くに聞けなかった夫への

質問ができたのだった。



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