第4話 水の底
顔の知らない友達といっしょに、ぬるい湖に潜る。
うす暗い水中で、自分に驚いた小魚がぱっと散った。
なにもない、おだやかな湖だと思った。
友達が水底にゆれる塊を指した。
うなずいて了解の合図を送る。
あれが目的だ。
捕ろうとすると、塊はふたつに割れて、シャーと威嚇した。
手を出さず、友達と「違ったね〜」と苦笑する。
こいつは‘モドキ’。
ほんとうの獲物は割れたりしない。
友達と水底を蹴って、移動する。
次だ、次!
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