この世界は競争世界なのだから

 Webライターとしての生活はだいぶ慣れてきましたが、それでもまだまだ体に疲れが残っています。

 それはそうです。本業のお仕事があって、さらに依頼された原稿を書き、その上に小説まで書かなければならないのですから。

 それでも、年末年始で少しは休息を取ることができました。本業の方は2日ほどお休みをもらい、依頼されている原稿の量も減ってきたからです。


 その間に新しい仕事を増やしました。これまでの依頼に金銭的な不満が生じてきたのがその理由。私は決してお金のためだけに働いたりはしません。とはいえ、あまりにも安すぎるのもどうかと思ったのです。

 「お仕事依頼掲示板」をちょいちょいのぞいていると、今やっているお仕事よりも割のいいものがいくつか見つかりました。

 私はその中の1件を選ぶと、いつもの要領で応募してみました。

 今回はこれまでにない強みがあります。それは“実績”です。この3週間ほどの間に受けた依頼でインターネット上に公開されているものをいくつかピックアップして新しい依頼主に送ってみました。

 すると、ものすごくいい反応が返ってきたのです。もちろん、今回もいつものごとく最初の試験はありましたが、それも楽々パスし、私は新しい環境を手に入れたのでした。

 これまでは1文字0.3円とか0.4円くらいで受けていたのですが、今回のお仕事はなんと0.8円!単純計算で2倍以上の収入になります。しかも、余分に書いた文字数分は追加で料金を払ってくれるそうです。これまでそんな提案をしてきてくれた人はひとりもいませんでした。

 そこまで含めると、2倍どころか3倍以上の収入になります。


「これだったら、他のお仕事は断ってもいいかもしれない。仕事内容もこっちの方がおもしろそうだし、何より入ってくるお金が全然違うんだもの」と、私は思いました。

 今、受け持っている依頼主さんには悪い気もしましたが、残念ながらこれも競争社会です。まともなギャラを払ってくれない方が悪いのです。


「そっか、こうやって優秀な人はどんどん割のいい依頼に移動していくのね」

 私は段々とこの世界のルールを理解し始めていました。

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