プロットがある小説、プロットがない小説
ひさしぶりにフードコートでふたりきり。話は尽きません。
あの人は続けます。
「じゃあ、今の内にプロットのある小説とプロットのない小説について説明しておこうか?」
「はい、お願いします」と、私。
「そもそもプロットがどういうものかはわかるね?」
「はい。物語を作る時の設計図みたいなものですよね?『ここでこういうことが起きる』とか『この時に主人公がピンチになる』とか」
「そうだね。より具体的に書いておく人もいるし、今、君が言った程度で荒く作っておく人もいる。いずれにしても、物語の最初から最後までひと通り何が起きるか書いておくわけだ。そうすれば、実際に小説を書く時に迷わずに済むからね」
「そうですね。で、今回、私はプロットなんてほとんどなしで書き始めちゃったわけですけど。それでも、途中までの方針みたいなものはありました。それも守れませんでしたけど」
「ふむ」と、一呼吸置いてからあの人は続けます。
「それはいい。じゃあ、話を変えてみよう。では、プロットのある小説とプロットのない小説、どちらが優秀だと思う?」
「そうですね~?やっぱり、最初に設計図を作っておいた方がいいんじゃないですか?お
「なかなかいい線いってるよ。答えは“どっちでもいい”だ」
私は、拍子抜けしてしまいました。
「ええ~、そんな~」
「まあ、ちょっとイジワル問題だったかな?でも、ほんとにどっちでもいいんだよ。ただ、作家ごとに特性はある。そうして、その作家ごとに合った方式を取らなければならない。そうしないと、上手く小説を書き進められなくなってしまう」
「私はどっち向きなのかな~?」
「さあ?それはまだわからないけど。でも、君には両方書ける人になって欲しいんだ。プロットありでも、プロットなしでも。どちらの方法でも小説が書ける人に」
「両方か~、大変ですね」
「そう。大変だよ。でも、そうなって欲しい。プロットありでもなしでも両方書けるようにしておいて、最終的には君自身が得意な方を選んで欲しい。あるいは、作品ごとに変えるとか」
「作品ごとに?」と、私は問い返します。
「そうだ。小説というのは、実はそれぞれの物語ごとに『プロットのあった方がいい小説』と『プロットがない方がいい小説』にわかれてるんじゃないかと思うことがある」
「へ~、おもしろい考えですね」
「子供でもそうだろう?親が決めた通りの道を歩んだ方が上手くいく子と、のびのびと
「あ~、確かにそうかもしれませんね。私は、どっちかというとのびのび育てられた方かな?」
「それと同じで小説も作品ごとに執筆の方法を変えていく。どうだい?できるかい?」
「できるかどうかわからないけど、やってみます!」
私は元気いっぱいにそう答えました。
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