第5話 よく見る夢の話

欲しい物を欲しいと言えない

周りの目を気にして

いつもすぐに自分を偽ってしまう


自分を偽っても、自分の中の本心は偽る事が出来ない

毎晩、自問自答をしている

普段の自分と内面の自分と


普段の自分と内面の自分には決定的な違いがあった


同じ顔をしていても、性格や感情が別者だった。

以前、どうしようもなく辛くなり、自分の中の自分を消した。


消した筈が、霧散しただけで、より一層内面の自分は増長した。

自分を偽れば偽る程。

たまに感情的になってしまっていたが、自分を知る人たちの前では冷静な人間でいられた。


内面の自分との対話はずっと行われていた。

何年も。

その欲望・願望を全て制御してきた。


対話は均衡していた。

外では、我慢する方、普段の私の方が強かった。

その反面、一人でいる時、内面の欲望はずっと残った。



夜のビルの上、再び二人は話し合う。


「何故、欲しいと言わないっ!欲しくてたまらないのに、何で言わないんだっ!」

「周りに迷惑を掛けて、自分も傷つくリスクがあるからだ。」

「いつもそれだ!リスクを恐れて、何が手に入るんだ。」

「若くして、この立場となれた。これは些細なリスクも避けて、確実な方法をやってきたからだろう。」

「それが欲しかったのか?」

「そもそも欲しいとか欲しくないとかそういう話ではない。生きていく為に必要な事だからだ。その中で、手に入れられるものを手に入れていけば良いだろう。」

「欲しい物が何なのか分かっていて、それが目の前を通り過ぎていくのを見て、手を伸ばすなと言っているのか?」

「それが手に入るかどうか分からない内はそうだ。確実に手に入ると分かったなら、その時に手を伸ばせば良いだろう。」

「本当に欲しいものは、手を伸ばさなければ手に入らないだろう。確実だと分かる時なんてないじゃないか。」

「だから、欲しいとか欲しくないとか、そういう問題ではないんだよ。」

「いや、だったら、欲しいと思う感情をどうしたら良いんだ。」

「諦めれば良いだろう。」

「諦められるか!」

「子供が駄々をこねてるのと何が違うっていうんだ。」

「大抵のものは、諦めてやる。けれど、本当に欲しい物だけはダメだ。」

「私もこれは譲れないな。」

「これもだろ?そもそも、お前は欲しくないのか?」

「・・・・・欲しいさ。」

「!!だったらっ」

「でもダメだ。」


冷静なAと感情的なBの口論


BがAに掴みかかって、最後はAがBを消して終わる。

Aは顔を俯いて呟く。

「・・・分かってるよ。」


そして、目を開けると現実の朝。


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