エーテルの怪物(後)
◆
ハッタリにすぎなかった。スプーが
とはいえ、見方を変えれば事実とも言える。『エーテルの怪物』との
さらに、実体の
また、エーテルを体内に取り込んだ段階で別物質へ変換するため、ウォルターの
ただし、彼らの実体はひ
その力をかろうじて使用できるのが〈樹海〉であり、それは彼らが〈樹海〉の近郊から活動範囲を広げられなかった
はたして、
「この体は気に入っていたんだがな」
スプーが
この『器』は五年前の〈樹海〉において手に入れた、言わば
「殺す気で来い、トリックスター! さもなければ、君の勝利は
実体の物理的な
死を
できればさけたい選択肢だった。実体のままでは、新しい『器』を手に入れるのに、途方もない時間と
ネクロの乗り捨てたゾンビが、ヨロヨロと起き上がった。スプーがそれを視界のはしでとらえる。よそ見をとがめるように、ウォルターが再度『かまいたち』を放った。
それを回避したスプーは、ゾンビの姿を
ウォルターは反射的に後ずさったが、背後に人の気配を感じて振り向いた。足を引きずったゾンビが飛びかかってきた。
ウォルターの判断が遅れた。ガムシャラにつかみかかってきたゾンビを、のけ
体勢をくずされながらも、ゾンビの顔面目がけて『
ウォルターはすぐに起き上がった。ゾンビは片足に重傷を負っている。立ち上がるのにひと苦労の状態で、脅威よりも同情心が芽ばえていた。
やはり、ゾンビと化しても、相手は知り合いのトレイシー。敵と認識するにはとまどいがあった。痛々しい姿を見ただけで胸が痛み、次の攻撃にふみきれなかった。
ゾンビに気を取られたウォルターを横目に、スプーが馬のもとへかけ戻った。さっそうと馬へ飛び乗ると、ネクロの所在を確認した後、
「待て!」
それを制止しようと、ウォルターは右手をかまえたが、最悪のタイミングでゾンビが動きだした。起き上がるのをあきらめて、四つんばいで地面をはうように襲いかかってきた。
足首につかみかかってきた相手を、
◆
スプーは街道を南に向かった。
それがネクロの実体だ。ウォルターが運動公園で発見し、『黒いマリモ』と形容した
巨大な
体の周囲には絶えず
慎重に移動を始めたネクロは、上着のすそからスプーの
「やっぱり、魔法はいいね。
のん気な要望を口にしたネクロに、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます