運命の出会い

暑い夏。


初めての甲子園駅。

不安や新しい事へのドキドキが止まらない。


賑やかな広場を抜け、緑に生い茂った甲子園を目にする。

沢山の高校生達が列をなす。


専用の入り口を探し、黄色いシャツとドリンクやお菓子が入ったプラスチックの箱を渡された。

給料は完全歩合制。

売らなければお金は入らない。


はっきり言って、売る自信はない。

ドキドキが止まらない。

スタッフが集められて、軽いミーティングが始まった。


ふと同じスタッフの1人に目がいった。


背が小さく、明るい髪色。

一重まぶたで気の強そうな印象だが、少し前歯が出ていて笑顔が似合う。

リストバンドをして、元気そうなお洒落な女の子。


だいたいが連れ同士で来ている感じだったが、彼女も一人の様だった。


「あの子と友達になりたい!!」

ただ漠然とそう思った。胸がキラキラと高鳴った。


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