第84話 前髪

切り揃えられた前髪が

妙に恥ずかしかった幼い日

サンタクロースを信じていた頃

今よりずっと夕日が大きくて

世界は光に満ちあふれていて

転ぶことも怖くはなかった

無限の可能性はそこにあり

夢は叶うと信じて疑わなかった

諦めることを覚えたのは

一体いつのことだっただろう

あんなに大切に握りしめた

風船を一つずつ手放して

自由になったてのひらが

こんなにむなしく感じるなんて

目に掛かる前髪を指で払い

切なさにそっと目を伏せる

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