第78話 目薬とサラダ油

寂れた歩道橋から

車が流れるのを見ていた

そこには暖かい感情はなく

ただ機械的な行き交いが

淡々と繰り返されて

その虚しさがなぜだかとても

赤いライトに似合う気がして

ぼんやりしていた目に沁みた


今すぐにこのままここから

飛び降りてしまっても

きっと後悔はないだろう

そんなことを思ってしまうほどに

虚しさは体に浸食してきて

やるせなくて柵に手を掛ければ

腕に引っかけていたはずの

買い物袋が邪魔をする


目薬とサラダ油、ただそれだけが

この足をここに引き止めるなんて

なんだか安っぽすぎて

もう笑うしかなくて

笑いながら流れ落ちてくる

涙がいつまでも止まらなくて

歩道橋にしゃがみ込んだまま

滲む赤い光を見つめていた



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