嵐の前の静けさ
桜子は一人夜道を歩く。
そして呟く。
「なんか、蚊帳の外って感じだったな」
桜子は疎外感を感じていた。
紅史郎と逢原詩織には共通点があった。それも多重人格、両親の死という強烈な共通点が。
でも自分にはそれがない。
両親は健在だし、自由に入れ替われるような別人格も持っていない。そのことに桜子は少し、彼らとの溝を感じていた。
史郎、逢原達はそんなことで自分を除け者にするような人間ではない。そんなことは、桜子も重々承知していた。
だがそれでも、感じられずにはいられなかった。彼らとの距離を。
「羨ましいな、詩織っちが……あーあ、私も二重人格だったらなー!」
桜子は叫び、望んだ。
自分も逢原詩織のような、史郎と同じような多重人格になりたい。桜子は心から願った。
彼女の元気な声が夜空に広がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます