第34話

 いつものように坂を下る。もちろん隣には春香ちゃんが居るわけで――


 ほんと、この人にジロジロ見られるのはいつまで経っても慣れないな……

 これを今までずっと受けてきたのか、と思うと春香ちゃんの苦労もなんとなく分かる……


 まあ、僕の場合は隣に超絶美少女(!)が居るからなんだけど、なんだか居た堪れない気分になる。しょうがないね。



「どうかしましたか?私の方をジロジロ見て」

 ジロジロ見てた?


「春香ちゃんかわいいなって……いや、なんでもないでしゅ」

 ……噛んだ。


 こういう時に嘘つけないのは本当に得をしない。変に正直すぎるのも良いことはないのだ。


「そ、そうですか……っふふっ♪」

 なんか最近デレすぎじゃないかな?ちょっと変な気が起こっちゃうよ?一線超えちゃうよ?


 っと、妄想を膨らませる前に話題を変えなくては――


「そう思えば、前に電気シェーバー買って……って話してたでしょ?」


「ええ、センパイが家から出るの遅くなったからでしたよね」


「その時今週末にでも……って言ってたのは覚えてる?」


「そ、そ、そうでしたっけ?あ、そういう事も言った気がします」

 ――やっぱり覚えてなかったのね。


「良ければ春香ちゃんも明日一緒に買いに行かないか?もちろん春香ちゃんの買い物にも付き合うけど……」


「行きます」


 即答する彼女を見ながら、僕は明日の買い物――いや、"デート"の算段をしていた。

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