天誅 5



「ミカちゃんの言ってる事は、本当なんじゃないか?」

「まず今日は殺すのを止めて、ゆっくり話をするのが先だ」

「嘘を付くために、指を切断する人なんて居ない」

「そういえば、ミカちゃんって見た目がヤンチャだから、誤解して見えたのかもね」



バーーーーーーカ。

まんまと引っかかりやがって。

単純ね。

こんな単細胞に侮辱されるなんて、アタシのプライドはズタボロ、許さないんだから!

鬱憤が晴れるまで、切り裂いてやる!


ゆっくり体制を変え、左手を背中で構えた時、




「騙されるな!顔をよく見てみろ!

右手で隠してるが、あの女笑ってやがるぞ!

泣き真似だ!騙されるな!」




誰かがそう叫び、アタシの事を指差した。

全員でその場から、顔を覗き込んでくる。



嘘。

何?

わかんない。



「本当だ!あいつ笑ってる!」

「泣いてないじゃないか!」

「涙が一粒も流れてない!」



次々に、困惑した表情から、怒りへと変わり、全員武器を力強く握り締めなおす。



「また俺たちの事を騙すつもりだったんだ!」

「きっと隙を突いて、殺す気だったに違いない!」

「生かしてたまるか!すぐに殺すぞ!」



先ほどとは打って変わり、また皆アタシの事を睨みつけていた。

まるで汚物を見るような、目。



嫌よ・・・。

騙されてくれたじゃない!

なんで、見抜くの?

アタシの嘘泣きは完璧だった!


それなのに、なんでまたアタシの事を、皆で殺そうとするの?

もう、こんな思いをするのは嫌!!

こうなったのも、アッサリ信じないあいつらのせい!




もう皆、大嫌いよ!



立ち上がると、奴らの元へ駆け寄り、左手を振り下ろした。


前方に立っていた3人の、太もも、腹、胸をそれぞれ切り裂く。

致命傷にまでは届かなかったけど、斬られた奴等は、叫び声を上げ、その場に蹲る。



そこからは、全員パニックになり、


「皆気をつけろ!ミカが暴れ始めたぞ!」


誰かが、叫んでいたけど。


所詮相手は人間を一人も殺した事がない素人。

アタフタするばかりで、誰もアタシに向かってこようともしなければ、蹲る3人を助けようとする訳でもない。

ただ、怯えた顔でプルプル震えながら、武器を構えこちらを見てるだけ。



「そんなんで、アタシの事を殺せると思ってるわけ?!」


3人を踏み台にすると、更に奥にいる人間を無差別に斬る。

左手だけじゃ足りないから、そこら辺に落ちている斧も、合間に振り回しながら。



面白いように、パラパラと倒れていく。

これが人間なの?

まるでさっき母が2階の窓から、投げ捨てた写真みたいよ。



デカイ口を叩いていた割りに、自分の命だけは守ろうと、尻尾を巻いて逃げていく奴ら。

腰を抜かして、逃げる事が出来ず、ただ怯えた顔でこちらを見てる奴ら。

それが滑稽過ぎて、笑えちゃう。



「あははははは・・・・・、口ほどにもない奴ら。

素直にアタシの事、信じておけばよかったのにね」


笑いながら、カギ鉄鋼で人を切り裂いた。

誰もアタシになんて、敵わない。

束になって挑んだ所で、こんなモンよ。



順調に倒し続け、残る一人を殺そうとした時、ブスッと左脇に衝撃が走った。

見ると、一番最初に切り裂いた3人のうちの一人が、ハァハァ息を切らしながら、槍をアタシの左わき腹に突き刺している。


痛みは感じなかった。

だって、たくさん人を殺したから。

痛みは麻痺している。



だけど、こんなショボい奴らが、アタシに歯向かうのが許せなくて、



「ふざけんじゃないわよ!!!クソがぁああああ!!!!」


対象が息絶えた後も、アタシは切り刻み続けた。

今は痛みがないからいい。

けど、エネルギーが切れた時、想像を絶する苦痛を味わう事になるだろう。



こんな汚点を背負わせたこいつらが、許せない!!!

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