死ぬと生きる 13

アタシの想像だと、「イジメられてる」と一言言えば、

親身に「主犯は誰なのか?イジメに関与した人物全ての名前を教えて」と、親身に駆け寄ってくれると思ったのに。



「イジメ・・・・られてる?・・・っていうのは、どういう事かしら?」


予想外に落ち着いたまま、顔色1つ変えずこちらを見てる。

そんな態度に、思わず


「え?イジメられてるってのは・・・、イジメられてるのよ。

性格が悪い奴らが、アタシの事を一人ぼっちにしようとしてるの!」


眉間に皺が寄る。

先生は鈍感なタイプなのだろうか?めんどくさい!

アタシが「イジメられてる」って言ってるんだから、察しなさいよね!



「一人ぼっちっていうのは、お友達が出来なかったっていう事?

それとも、喧嘩しちゃったって事?」


中3のアタシに対して、まるで子供に喋りかけるように話す先生の態度にイラついていた。

お友達が出来なかったってどういう意味よ!

このアタシが、友達出来ない訳ないじゃない?バカにしてんの?

喧嘩もしてないし!



「違うわよ!一方的に無視されてんの!何もしないのによ?有り得る?」


「えっと・・・、それは突然無視され始めたって事なのかしら?」


「そうよ!喧嘩した訳でもなく、突然無視するとか有り得なくない?全く、意味わかんない!」


腕組みをし、右足でリズムを取る。

イライラが押えきれず、態度に出ていた。

ここまで言えば、理解してくれると思ったのに、



「それは多分、貴方が意識していない所で、お友達に対して失礼な態度を取っていたんじゃないのかしら?

それをお友達はずっと我慢してて、塵が積もって爆発しちゃったとか。

一度謝ってみたらどうかしら?それか、私が何かいけない事をしちゃったのか聞くとか、

イジメと決め付ける前に、出来る事があると思うんだけど・・・・」




え?何こいつ。

アタシの話、ちゃんと聞いてた?


イジメられたって言ってんのに、全く見当違いな答えを吐きやがる。

なんで無視されたあたしが謝らなくちゃいけないの?

なんでアタシが聞かなくちゃいけないの?

アタシはイジメられてんのよ?

だから、先生達がアタシの事を守って、イジメた人間を怒るのが普通でしょ?



ベッドから立ち上がると、


「ねぇ!アンタ、アタシの話聞いてた?

イジメられたって、言ってるじゃん!

クラスの連中全員から無視されてるの!シカトされてるの!

きっと、亮がアタシの事を無視するように言いふらしたに決まってる!

アイツ以外、考えられないんだから!」


怒鳴り散らす。



「亮って・・・・、3年生の亮君よね?

先日亡くなったサナエさんと仲が良かった・・・・・」


サナエという言葉を聞き、背筋に寒気が走る。

まさか、サナエが何故自殺したのかを知ってる?


担任は、自殺した理由をアタシ達には教えてくれなかったけど、実は先生方は知っていて内緒にしてたとか?

死ぬ前にサナエが先生にチクっていて、先生方が対処するまえに本人が自殺したから、

真実を隠蔽したとか・・・・・・?

ま さ か ・・・・・。



先ほどとは打って変わり、


「へぇ~・・・・、え、何?もしかして先生、サナエが自殺した理由知ってるとか?」


アタシは冷や汗を垂らしながら、恐る恐る尋ねてみた。

先生は相変らず、態度は変える事はなかったが、



「いいえ、知らないわ。何も知らない。

サナエさんは何度か保健室に来た事はあったけど、一切愚痴らない子だった。

そんな子が、突然亡くなるなんてね・・・・・、悩みを聞いてあげたかったな」


言い終わった後、切なそうな表情を浮かべた。

それだけじゃ、安心出来ない。

次は亮の事が気になる。



「ふ~ん、そうなんだ。で、なんで亮の事は知ってるの?」


顔を引きつらせながら尋ねると、



「サナエさんが亡くなった日。放課後にここに来たのよ。

そこで話を聞いて・・・・それだけよ」


切なそうな表情のまま、先生は淡々と答え始めた。



「何の話を聞いたの?」


「それは言えないわ」


「どうして?」


「亮君と約束したから。誰にもバラさないって」


しかし、肝心な部分をボヤかしたまま、教えてくれない。

なんで教えてくれないの?

バラされたら困るの?

困る話って何?

もしかして、アタシがサナエをイジメてた事をバラしたとか?

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