第95話過去との決別 3

逃げる生徒の背中を、剣で切り裂く。

悲鳴と共に、その場に転げまわる 物 にトドメを刺す。

気持ちがいい!・・・・いつも俺の事をコケにした奴らがどんどん動かなくなっていくなんて。

早く死ねよ。

目障りなんだ。


人が気持ちよく、モンスターを討伐していると、


「あのぉ・・・・、北条く・・・・・いや、北条さん!」


後ろから弱弱しい声が聞こえてきた。



「え?何だよ・・・」


振り返ると、腰が抜けたのだろうか?

その場に座りこみ、返り血まみれになった校長が怯えた目でこちらを見ている。



「あの・・・・!私の命は助かるんですよねっ!

生徒達は、貴方方を侮辱しましたが、私は一言もそんな事は言ってません!」


あぁ、命乞いか。

生徒の命はどうでもいいけど、自分だけは助かりたい。

このクソみたいな学校の校長らしい台詞だ。



「だから、私は・・・・・」


尚も命乞いを続ける校長の首を、剣で跳ねた。

首と身体が離れた途端、まるで電池が切れたオモチャのように、

その場にグシャリと潰れると、静かになり動かなくなった。



うるせぇ奴だ。




「助かる訳ないだろ。

お前は、俺がイジメられ苦しんでるにも関わらず、何もしなかったんだから。

自分は知らなかった じゃ、済まされない。

お前はこの学校の校長なんだ。

全ての責任を、お前が持つ必要がある。

くたばれ、モンスター」




「涼・・・・お前・・・・・」



その様子をハヤトは見ていた。

そもそもこいつは、ココに何をしに来たのだろうか?

まだ一匹も討伐していない。



「ボサっと見てないで、さっさとヤれよ!クズ!」


そうハヤトに吐き捨てると、再びモンスターを討伐し始める。

そうだ。

殺すのは生徒だけじゃない。

先生も同罪。

奴らは、俺がイジメられてるにも関わらず、それを止めなかった。

それは重罪。

死を持って償え!




油断していた。

奴らが、抵抗するなんて思っていなかったんだ。




順調に俺達は、モンスターを討伐していた。

俺達とは、ハヤトを省いた ミカ、マリア、俺の事だ。

ハヤトは相変らず、突っ立ってるだけ。

何の役にも立たない。


逃げた奴らもいるけれど、グラウンドに散らばったモンスター達のほとんどを討伐出来た。

一息つこうとしていたその時・・・・・。




「死ね!!!化け物があああ!!!!!!」


近くで、罵声が聞こえた。

法律違反だ。

この状況で、よくも法律を犯そうと思うなんて、本当に救えない奴ら。


その言葉を発した 物 を処刑しようと振り返ると、マリアがまるでゴム人形のように吹き飛ぶ姿が見えた。




え?なんで、俺達が襲撃されるんだ?

あまりの出来事に足が動かない。




先生達だ。

俺がイジメられている時は、見て見ぬ振りをしていたあいつらが、集団でバットを持ち、マリアを襲撃した。

防具もなにもつけていない頭に、容赦なくバットを振り下ろす。

その一部始終を見ていたはずなのに、何故か俺はその場から動く事が出来なかった。




「・・・・っあ・・・・」


微かにマリアの声が聞こえた気がした。

地面に転がるマリアに、先生達は容赦なく、バットを振り下ろす。




「こいつ女だぞ!」

「構わない!殺せ!殺らなければ、俺達が殺やれる!」

「なんで女なのに、坊主なんだ?」

「気持ち悪い足だ。切断してしまおう。誰かノコギリを持って来い!」



マリアが女の子だってわかっているのに。

奴らは罵声を浴びせ、嬲り殺そうとしている。

俺の事は助けてくれなかったのに、他の生徒に命の危険が迫ると、助けるんだな・・・・・。

なんで俺、こいつらにこんなに嫌われてるんだろ。

目がカーッと熱くなる。



あいつらは、何も変わっちゃいない。

結局、俺達弱者を除け者にし、最終的には殺すつもりなんだ。

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