　嫌悪感を抱きながらも、桜は周りの人達と少しずつ関わるようになりました。

　少し長く関わると、見えてくることがあります。

　皆、私より、できることがある。

　桜が通う移行は、細かい作業が訓練の中心でした。

　不器用な桜には任せてもらえない作業をやっている人が沢山いました。

　同じ作業をしていても、皆の方が作業が速い。

　それを桜も認めざるを得ないのです。

　認める一方で、桜のストレスは溜まっていきます。

　どうして、私がこんなことに？

　学校を卒業した。勉強を頑張った。舞台にも立った。なのに、なぜ私が、障害者の中で下の下の下なの？

　ある日のこと、桜は職業センターの時と同じように爆発しました。

　皆、私を認めろ！

　桜の怒りは深く、一度爆発すると、しばしば暴れるようになり、その度に訓練が中断されました。

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