第27話稽古
劇に向けて、本格的な稽古が始まりました。
ここで、想定外のことが桜に起こりました。
桜に与えられた、少し多めの台詞……
全然、頭に入らない……
なぜ、覚えられないのか、桜は少し混乱しました。
手伝ってくれたのは演劇教室の仲間です。
自宅に招かれ、皆でご飯を食べながら練習をしました。
何度も何度も台詞のやり取りを繰り返し、やっと台詞を言えるようになりました。
しかし……
「すぐに返して」
先生には叱られてしまいました。思い出すのに時間がかかっているのです。これは、何度も練習するしかありません。
本番、一週間前。桜は泣きました。台詞を削られてしまったのです。
桜の台詞は半分になってしまいました。
それに、仲間達もなんとなく冷たいのです。
本番を前にして皆の神経が尖っていました。
そして本番当日。夜の公演を控えて、皆でご飯を食べていた時です。
「桜ちゃん、オレと付き合う?」
勿論、先生の冗談です。
でも、桜は固まってしまいました。トイレに行って胸が痛むと嘆きながら涙をこぼしました。
「本番当日に、泣く?」
困ったような先生の声が聞こえました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます