読んだ時、失礼かもしれませんがこう思いました。
「うわっ、文章が上手い」。
イスカという荒涼とした地にふさわしい乾いた重厚な文体が印象的でした。
力こそがパワー!みたいな感じのイスカに、一人の女性がいました。シオン。彼女は戦士になることを望んでいました。そんな中で拾ったのがスオウという少年。彼女は少年を連れ帰りますが、少年がどんどん戦士になっていく中で、シオンは女性であるがゆえに戦士たることを認められず、鬱屈とした日々を送っていました。
そこに起きた内乱——。
内乱の詳細はネタバレになってしまうのであかせませんが、読んでいる中で読者たる私が何度も「こりゃ無理だ」と思った難局にシオンとスオウは立ち向かっていきます。そして過酷な運命を耐えていきます。
そして最後。最後、私は胸がつんと痛みました。
そう、そうだなあと。
スオウはそうなんだよなあ、シオンもそうなんだよなあ、と。
心に残る上質なファンタジーを是非どうぞ〜!
王の娘、イスカの戦士シオン。
彼女は未来の女王候補ではありません。なぜならば、強き者が国を統べるイスカでは、女性は王になれないからです。
本作では、強さに憧れる少女シオンが数々の試練(国家規模!)に見舞われて、やがて一人の女性へと成長していく過程が、繊細かつ重厚な筆致で描かれています。
異世界の物語ながら、女性ならではの葛藤や幸福も感じられる作品で、共感を覚える読者も多いのでは。
歴史物や異世界を舞台にしたヒューマンドラマがお好きな方は、引き込まれること間違いなしです!
ところで、本作を最後まで読み、ロスになってしまった読者の皆様。本作は関連作「イレスダートの聖騎士」へと合流し、シオン達の物語はまだまだ続きます。
主人公は異なりますがぜひ、関連作と併せてご一読くださいませ!