④一人になって 透麻side

俺をクラスに馴染ませてくれた琴魅と喧嘩をしてしまった。あの日以来の喧嘩だった。あの日中学2年生だった俺とあいつ...あいつはあの時、あいつが殺された時は泣いていなかった。なのに今日……今日のあいつは何かがおかしかった。確かに俺も言い過ぎたとは思っている。でも、俺だけが悪い訳じゃないと思う。俺は小学2年生の時に席替えを日からずーっとあいつとはいろんな事をしてきた。学校の近くに流れてる川で遊んで、ずぶぬれになって親に怒られたり、遠足で2人で遊んでたら迷子になったり、中学校で同じクラスになれたこと、そして……あの日の事。

琴魅の両親は、あいつが小学3年生だったころに交通事故で死んだ。それでうちの親があいつを引き取った。普通の子供だったら無様に泣き叫ぶはずなとこなのに、あいつは泣かなかった。死ぬまで1回も。そんなやつを俺は泣かせてしまったのだ。

どうして気づいていなかったのだろう……あいつはいつの間にか俺にとってはいて当たり前な……凄く大切な存在になっていた。

全てではないにしても俺も悪かったよな……。 じゃなきゃ同じことの繰り返しだ。またあいつから奪うことになってしまう。全てを奪うことだけはもう二度としたくない!! ……ならするべき事はひとつしかなくないか……?

明日にでも謝りにいこう。


そんな感じでいろんな事を考えていると、外はもう暗くなっていた。

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