最後に

2話完結にしようと思ったけど、聞いた話ばかりで〆ても面白くないよね。


終わりは体験談。霊感もない何も感じないボクだし、しかも腐ってもクリスチャン。

だけど、その人が真剣にそうだって言うなら、信じるよ。誰かを否定することは、自分さえも否定していることになるんだから。



ひめみやさん、埼玉県さいたま市の川口のすぐ側にお住まい。今はパパのじいさんの念願の戸建てに両親と愛犬・玲音たんと住んでいる。

周りには小さなスーパーマーケット、床屋、クリーニング屋、ラーメン屋(現在は隣のラーメン屋のみ営業)などが建ち並ぶ。

野良猫が最近、大量発生して困るくらいだ。うちの縁側で勝手に子育てもしていた。

奥さんのばあさんも亡くなった。



いつからだろう。明け方、寝ようと二階で布団に入ると………。



━━チーー………………ン



一階の和室にある、仏壇の鐘が鳴る。


最初はパパかママが迷惑にも起きてわざわざ鳴らしているのかと思っていた。でもこの戸建ては二世帯住宅なんだよね。

二階の玄関を出て、一階の玄関か勝手口から入らなきゃならない。だけど、そんな開閉音は一切していない。

耳鳴りが毎日するから、その延長かと思えなくもないんだけど、だれもいないからやけに澄んだ音。


……一体、誰が鳴らしているのかな?


何かあるわけじゃないし、毎日でもない。何日か置き。


お互い死に目に会えなかったじいさんとばあさんが鳴らしにでも来ているのかしらね?



その日もそれが聞こえて、そのままボクは眠りについたんだ。


p.s:

現在、半一人暮らししていた場所は弟一家が住み、ボクは両親のいる方に戻されている訳だ。

その仏壇が今どこにあるか? ……元ピアノ室、ボクの部屋の暖簾を仕切りにして隔てた先に移動している。

300万した仏壇は、仏壇つきでという2世帯同居をリフォームを機に追いやられた。

しかし、鳴らない。今は明け方に寝るような生活をしていないせいか、場所の問題だったかは分からない。

この話をしたからかなぁ。


おしまい

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身近に今も潜むもの 姫宮未調 @idumi34

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