第一章
何がそんなに愉快なのか。
瑠璃先輩のテンションは不快なくらいに上がっていく。
「ん……ぐっ……うぅ……」
苦しそうに赤らめた顔を歪める天音。そして、
「いつまでも意地張ってないで、素直になんなって」
おもむろに先輩が天音の首に手をかけたと同時。
「――っ! ん……ぐぅ……ん!」
友人の喉が、ゴクリと動くのを確認した。
「……」
私はただ呆然と、その光景を凝視する。
まるで時間が止まったか、身体が動くことを忘却してしまったかのように身動きができなくなってしまっていた。
まるで、知らない男にレイプでもされてしまったかのような表情で両目を見開いている天音。
「あっはははは! うっそ!? この子マジで石飲み込んじゃった! あんた、よくあんなの飲めたね。あははははは!」
そんな中、天音を押さえつけていた手を離し大声を上げて笑うのは瑠璃先輩ただ一人。
郁代も既に羽交い絞めはやめていたが、その表情は無理に笑みを作っているといった雰囲気で、あからさまに引きつっていた。
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