第三夜 もしも時間が戻せたら

私は、悩みに悩んだ。

悩んだ末にリセットボタンを押した。




今、私は物陰から通りの向こうを見つめている。


やがてスーパーマーケットの出口から、痩せっぽちで猫背の少年が出て来た。

彼の手にぶら提げられたビニール袋には、買ったばかりの金槌が入っている筈だ。

可哀想な男の子を惨殺したあの凶器に違いない。

この後その足で男の子を拐かし、町外れの沼地で殺害に至る。


私はコートの内側に隠し持っていた出刃包丁を決意と共に固く握りしめると、通りへ出て少年の後を静かに追い掛けた。




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