第60話 渋谷村

考えながら盲滅法歩いていると、のどかな田畑のある風景が広がっている。

そうか、まだこの時代なら都市部といっても狭い。

ちょっと外れれば田舎だ。

多分、渋谷だって世田谷だって田舎だ。


畑にいた女の人に聞いてみた。

「あの〜、ここはどこでしょうか?」

「どこって、渋谷村だ。どこに行きなさる」

ちらりと計算する。

「八王子の親戚に行こうとして、道に迷ったらしいです」

「八王子? そりゃあちっと方向がずれとるなあ。

戻るにしても、今からじゃあ日が暮れる。ここいらも夜は物騒じゃ。

よかったら家に泊まりなさるか?」

「本当ですか? ありがとうございます。助かります。」

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