リーリヤとユーリカ;ある記録より

金村亜久里/Charles Auson

リーリヤとユーリカ;ある記録より


 あるところにリーリヤとユーリカという二人の女の子がいました。

 リーリヤがユーリカに言いました。

「一緒に行こうよ」

 ユーリカは言いました。

「うん!」

 二人は手をつないで歩いて行きました。

 二人がいなくなったので、大人たちは昼も夜も二人を探しました。

 一日が経ち、二日が経ち、三日が経って、一週間、一月が経っても二人は見つかりませんでした。

 それから今になっても、リーリヤとユーリカは見つかっていないということです。



 ――ギッシ=ムウ『ス・マ・ノ地域のサニ民話について』より和訳

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