行動力

大切なことは行動力

 ところで、私の友人たちは私とは違って高校生時代からすでに、それぞれが着実に自分の進みたい道へと驀進していくような者ばかりでした。私は例の一言に縛られ、半分ふてくされて、諦めていたんですけども。


 一人の友人は高校三年の時にはすでにゲーム制作会社に有力なコネを作り上げていました。キャラクターデザインの仕事を友人である我々漫画研究部の連中にも持ち込んでくるくらいです。数年後、プロとなりゲーム会社に就職し、同僚の男性と結婚して幸せに暮らしています。

 またこの関係で、別の友人の一人は着実にキャリアアップを果たしました。一人で、別のゲームのキャラデザを任されたという話をしてくれました。本人の希望は漫画家でしたから、その後も恐らくはその系統の道へ進んでいったでしょう。

 残念ながら、高校卒業後に進路が別となり、その後は疎遠となってしまったので今はどうしているかは解かりません。


 また別の、こちらは知人というほどの知り合いですが、彼女は親を説き伏せ、プロの演歌歌手に弟子入りして、こちらも数年後にはプロデビューを果たしました。

 もう一人、プロレスの世界に飛び込んだ友人も居ます。もう彼女たちは私の事など覚えてもいないでしょうけど。

 縁が続いているのは、そういう華々しい人生を送る友人たちではなく、もっと地味に平凡な人生を送っている方の友人たちばかりです。


 私自身は何も動きませんでした。面白いもので、自由に好き勝手に生きていると、運命に従って自動的に隠されてしまう方向へと物事は進みます。

 こう言ってはなんですが、私自身は美術的な才能が多少はあったようで、製作した作品は小学中学高校と、ほとんどは学校側の希望で寄贈してしまって持ち帰ってはいないんです。後進の学生の参考作品として残してほしい、と頼まれましたんで。よほど気に入った作品は持ち帰りましたが。


 彼女たちは望む道を進んでいきましたが、もちろん彼女たちが私と同じく才能があっただろう事は私も認めていますから当然の帰結ではあるんですが、私と彼女らの道を分けたのは、何にも増して、「行動力」の一言であったと思うのです。


 その時の思いつきや、やりたいと思った事を優先する生き方は、刹那といい、無計画で何も残さない生き方なのでしょう。楽に生きれば楽な人生を送るわけです、目の前に出てくる選択肢の、楽な方を常に選び続ければ、責任の少ない場所へ辿り着きます。せいぜい家庭内の責任だけ、社会では誰か責任者の指示に従うだけで良い楽なポジションに行き着くわけです。

 そういう選択をしてきたので、私の今は当たり前の結果です。


 それなり、家庭内では色々とあり、人の経験しない事もあれこれ体験してきたのは、一重に私がそれを望み、無意識にも選択肢で選び取ってきたからに違いないわけです。人生も折り返し地点、経験だけは貯めましたので、これを武器にする事は可能でしょう。

 あとは、「行動力」なんですよねぇ。

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