「どうせ私が悪いんです」という人には郵便ポストの話をする

 以前勤務していた学校の教頭先生は「私は○○先生に文句を言われました。どうせ私が全部悪いんですよ」といった種類の発言がとても多い人でした。 

 「そんなことありませんよ」と言って欲しいのがあまりにはっきりとわかるので、聞かされる方は、返事を強制されているみたいでどうも気分がよくありません。でも仕方がないから「教頭先生が悪いんではありません。そんなことはみんな知ってます」といった答えを毎回言っていましたが、どうも言わされているようで面白くありませんでした。

 そこである時、「いつも同じことばかり返しているのも芸がない。少し違う答えをしてみようか」と思い、「それじゃあ、『電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも、みんな私が悪いんです』と○○先生に言ってあげたらいいじゃないですか」と言ってみました。

 すると教頭先生は、「筒美さんは人間ができている。管理職に向いている。来年あたり、管理職試験を受てみるといい」と言いました。

 それからその教頭先生は、私の変な発言にあきれたのか、自分が同じようなことばかり言っているのを反省したのかわかりませんが、「どうせ私は~」みたいなことはあまり言わなくなり、もっと建設的なことを言うことが多くなりました。

 今考えてみると、掛け合い漫才か笑い話のようでもあり、意外と真面目なようでもあり、不思議なやりとりです。が、毎回毎回同じようなやりとりを繰り返し続けるよりはよかったと思います。

 いつも同じことを言う人には、毎回同じ答えを返すのではなく、たまには変なことを言ってみた方がいい場合もあるようです。 

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