魅惑の1億円★ 宝くじ
当たるなんて、
思っていなかった!!
たった1枚だけ、
友だちと、
一緒に買った宝くじ!!
1……億円……!?
ゆ……夢じゃないよね!!
痛っ!!
やっぱり、
起きていた!!
夢じゃないよね♪
感激して、
宝くじ売り場で、
手続き方法を聞いた♪
現金払いは出来ない……。
当たり前っか♪
振り込み口座に送金か♪
にやけてしまう♪
「ヨッシ~!!」
あ、カナミ……。
「ヨッシ~ツイてるよ……。
1つ違うだけでハズレだもん!!」
カナミの番号は、
私の1つ前の番号……。
「いいな~、
ヨッシ~だけ……。」
「半分こしよか?」
「あぁ、いいよ!!
単なる冗談!!」
カナミは薄ら笑いを浮かべて、
両手を振った!!
半分こは、イイらしい……。
「そっ!
じゃあ、また明日!!」
私は、カナミの方を見ながら、
手を振っていたら、
ガクンと、地面があると思っていた高さより、
低い所に足がついて、
私は、コケてしまった!!
「きゃあ!!」
カナミは、
ちらっと、
嘲笑を浮かべた!!
が、すぐに、
「ヨッシ~!!」
と、叫びながら、
駆け寄って、
私を捕まえてくれた!!
「良かった……。
階段から、
落ちないで……。」
階段!?
振り返ると、
足元に急な階段が見えて、
私は、へたりこんだ。
こんなところに階段なんか、
有ったんだ……。
右足をちょっとひねったみたい!!
足を引きずりながらも、
無事に家に帰りついた。
ほっと一息ついたら、
カナミの嘲笑を思い出す!
ヨッシ~なんか、
死んじゃえばイイ!!
とか、
半分こだなんて!!
バカにしてる!!
とか、
ヨッシ~が死んじゃったら、
あの宝くじ、
私がもらう!!
という、
カナミの嘲笑の裏の声を
私は想像して、
怖くなった!!
夜中……2時……。
突然目が醒めた!!
あれ?
身体が動かない!?
誰かが、
足元にいる!?
右足がキリキリ痛む!!
誰!?
眼だけが動かせて、
身体がピクリともしない!!
誰!?
人の形をした黒い固まりの眼が、
ギロリと憎々しそうに睨み付けている!!
いやーぁ!!
声も出ない!!
必死に声を出そうとしていたら、
やっと、
「や……ヤメテ!!」
ふっと、
金縛りが解けた。
怖いよ……。
私は泣き出した。
足を引きずり、
湿布臭を漂わせながら、
私は大学のゼミのいつもの席へ向かった。
「おはよ……。」
「あ、ヨッシ~……。
どうしたん?」
顔……。
泣き腫らして、
休もうかって思ったんだけど……。
カナミと、
サトチンが、
何事かと見ている!!
「足をひねっちゃって、
ちょっと夜中……、
痛くてね。」
「大丈夫?」
「あ、でも、
お金の心配要らないから、
もう職探し要らないんでしょ?」
サトチンが、
にやにやしながら言った!!
「う~ん……。
どうだか……。
それより、
足が痛い……。」
足より心が痛む……。
宝くじが当たったら、
欲しいものが一杯あったけれど、
なんだか、
友だちと思っていた人が、
刺々しくなってしまった……。
当たりくじの当選者って、
誰にも知られていなかったら、
カナミも、
サトチンも、
こんな風にならなかったのに……。
私は、当選して、
大金と引き換えに、
友だちを喪った……。
大学の帰り、
そのまま、
バイト先に向かう。
今日は、
隣の駅前の家庭教師先。
生徒さんの家の人たちは、
宝くじの事を知らないから、
ほっとした。
家に帰ると、
晩御飯は、
ステーキだった!!
「ママ!?
何?
これ、イヤに豪華じゃない?」
「だって、当たったんでしょ?
宝くじ♪」
ムフフと笑う母親に、
父親は、
「会社辞めてもいいだろ?
なぁ?」
と、宝くじをもらうつもり満々!?
アハハ……!
私は思いきり笑いだした!!
「宝くじ……。
ごめん!!
転売しちゃって、
当たってたって、
知らなかった!!
いや~惜しかったわ!!」
「え!!」
両親は顔を見合わせた!!
「誰から聞いたの?」
「サトチンちゃん……。
電話もらって……。」
「嫌だな~!
発表前に転売したのに、
誰かが噂にしちゃって……。
宝くじ間に合わなかったって言ってた見ず知らずの人に、
転売しちゃって……。
あ~惜しかったわ!!」
「ホントね……。」
「ガッカリだ!
家のローン片付く所だったのに……。」
両親も、
お金の亡者に化けたが、
転売したという嘘の呪文で、
呪いが解けた……。
夜中……2時……。
今日も目覚めた!!
金縛りで動けない!!
足元の黒い固まりは、
5、6人に殖えていた!!
もういやっ!!
カナミやサトチンが、
言いふらしたんだわ!!
ヒドイ!!
もう、金の亡者が、
いやらしい薄ら笑いを
浮かべている!!
昨日からの睨み付けているのは、
カナミの黒い固まりかな……。
友だちだったのに……。
気がつくと朝になっていた……。
今日は大学休もう……。
カナミたちに一斉メールで、
足の痛みが酷いから、
病院行くので、
ノート取ってと頼んでおいた!
親には一応行くフリをして、
漫画喫茶に出かけた。
家庭教師までの時間、
漫画喫茶の個室で、
のんびり過ごす。
うとうとしていたら、
時間になった……。
今日も雨だ……。
傘をさして、
ランチを食べたら、
美容院で、
ちょっとのびてきていた髪を切り、
パーマをして、
サービスのマッサージを受けて、
気晴らしをした♪
家庭教師先は、
電車で2駅だ!
駅からバスに乗り、
生徒さんの家に着いた。
玄関のチャイムを押したら、
滑って転んだ!!
「はーい♪
あら!?
先生……、
大丈夫ですかっ?」
玄関に、生徒さんの弥矢(みや)ちゃんが、
心配そうに見ている。
「先生、転んじゃった~!!」
ちょっとおどけたように言ったけれど、
痛たた……。
腰うった~!!
本当は、泣きたいほど痛い……。
「お母さん、
タオル!!
先生転んで濡れちゃった~!!」
「あ……、
レインコートだから、
大丈夫……。」
心配そうに、
タオルを持ってきてくれた弥矢ちゃんに、
「せっかくだから、
どうぞ!
先生!!」
「レインコートなので……。」
タオルは辞退して、
玄関先に、
レインコートをハンガーに掛けさせてもらった。
「今日も雨スゴいですよね~!!」
「本当ね。」
弥矢ちゃんのお部屋に行き、
勉強を見ている間、
ちょっと腰が痛むけれど、
明るい弥矢ちゃんに癒された。
勉強が終わると、
お茶の時間♪
いつもケーキが出されるので、
ちょっとした楽しみになっている。
「先生、今日も雨がスゴいですよね~!!
さっきは大丈夫でしたか?」
弥矢ちゃんのお母様が、
気を使ってくれている。
「最近、ドジばっかりで……。」
私は苦笑した。
「そうなんですか?」
「階段でコケそうになって、
足をひねっちゃったり……。
続いているんですよ……。」
「足は大丈夫ですか?」
「まだ痛むけれど、
大丈夫よ。」
ピンポーン♪
玄関のチャイムが鳴った。
お母様が応対に立った。
「あら、香奈ちゃん、
いらっしゃい。
どうぞ中に♪」
「お邪魔します。」
「お客様?」
私は、焦った!!
まだ食べかけだというのに!!
「先生に、会わせてみたいな~って、
思っていたの♪
親戚の香奈ちゃん♪」
「親戚の方?」
私は、まだケーキを食べてて良いと分かり、
ちょっとほっとした。
弥矢ちゃんによく似た、
同じ年格好の女の娘だ!
「香奈ちゃん、
こちら家庭教師の吉永先生♪」
「こんにちは。」
私は、慌てて立ち上がり、
お辞儀をした。
「上宮 香奈(かみみや かな)です……。」
天真爛漫な弥矢ちゃんと、
正反対な落ち着いた雰囲気の女の娘だわ!!
香奈さんは、
弥矢ちゃんが髪型変えたみたいに見える!
「双子みたいですね~!!」
「本当、主人がヨソに産ませた子みたいに、
似ているでしょ?」
「えー、
えーと……。」
腹違いの娘さんって事!?
私は、答えに窮していたら、
「叔母様!!
冗談に聞こえませんわ!!」
香奈ちゃんが突っ込む。
「ホホホ……。
冗談ですよ!!
本当は、遠い親戚でして……。」
「先祖がつながっているのよね♪」
弥矢ちゃんと、香奈ちゃんが、
頷きあった。
「そうなんですか……。」
「香奈ちゃんのケーキ、
ここに置きますよ。」
「ありがとうございます♪」
ケーキを食べ終わり、
弥矢ちゃんはトイレに、
お母様は台所に引っ込んで、
香奈ちゃんと二人きりになった。
「あの、
最近、変なこと有りませんか?
金縛りに遭ってるとか……。
誰かに恨まれているとか……。」
「えっ!?」
「私、分かるのです……。
右の足首に、
小銭で良いので、
撫でてから、
お寺か神社のお賽銭箱に納めて、
厄落としした方が良いです……。」
どうして!?
さっき、
弥矢ちゃんに話した時は、
いなかったのに……。
「生き霊……。
お友だちが、
飛ばしています。」
香奈ちゃんは、
怖いぐらい真面目に話している。
「そ……そうなんだ……。」
「嫉妬ですね……。
お金がらみの……。
ちょっと応急処置しますが、
必ず厄落としして下さいね!!
あくまで応急処置ですから……。」
香奈ちゃんは立ち上がり、
背中の方に、
何かをしたみたい。
急に右足の痛みがひいて、
肩が軽くなった!?
「あれ?
肩こり治ったわ!?」
香奈ちゃんは、
にっこり笑った。
「先生♪」
弥矢ちゃんが、
戻ってきた。
時計を見たら、
そろそろ、
バスの来る時間……。
「先生、そろそろおいとまするわ!
バスの時間なので……。」
不思議な霊感少女香奈ちゃんと、
弥矢ちゃん母娘に玄関先まで見送られて、
私は、バス停に向かった!!
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