オレ彼!?★ 融(とおる)の章 洋館
大正ロマンな洋館に、
厨房から、
美味しそうなご馳走の匂いが漂っている。
小走りに女学生が、
洋館の門の、
横の人一人入れるような通用門へ行くと、
「お帰りなさいませ。」
と、うやうやしく使用人が、
鍵を開けて彼女を招き入れた。
「ただいま!」
矢がすりに袴、
ブーツに前髪と横の髪を
後ろに束ね、
大きなリボンで飾っている絢香ちゃんだ!!
絢香ちゃん、女子大生の卒業式みたいだな~。
「お嬢様、お帰りなさいませ。」
玄関には、
使用人が控えていて、
うやうやしく一礼をした。
絢香ちゃんは、
手に風呂敷包みを抱えている。
「お腹が空きましたの、
遙華(はるか)ちゃんは、
帰っていますか?」
「遙華お嬢様は、
庭で、
花壇をご覧になられていらっしゃいます。」
「あら、そう!
わたくしも、
庭に行きたいわ♪」
絢香ちゃんは、
階段に向かって、
小走りに、
二階に上がり、
風呂敷包みを机に置いた。
すると、
ぐらぐら激しく地震がおきた!!
「地震だわ!!」
本棚や、アンティークな飾り棚が倒れ、
思わず絢香ちゃんは、
ベットに倒れ込んだ!!
ゴゴゴゴ……。
ガチャン!! バタン!! バリン!!
布団に潜り込んで、
揺れるベットにしがみついた!!
ほどなく、焦げ臭い煙が漂ってきた!?
「絢香お嬢様、
火事です!
お逃げ下さい!」
揺れが収まったので、
恐る恐る、
布団から、
絢香ちゃんは、
顔を出すと、
煙で、周りの様子が分からない!?
窓を開けなくちゃ!!
あら?
どこかしら!?
絢香ちゃんは、
一呼吸したとたん、
煙を吸って、
咳き込んだ!!
シーツを鼻と口に当て、
手探りで、出口を探した!!
ブーツは、散乱した硝子片や、
本などを踏み、
なんとかドアにたどり着いた!!
ドアノブを開けようとしたけど、
ドアが開かない!?
鍵かけていないのに!!
地震でドアが、変形したんだろうか?
絢香ちゃんは、必死に開けようとしていたけれど、
どうしても開かなかった……。
絢香ちゃんは、
袂から、
小さく折られた手紙を
取り出した。
街灯の君へ
小さくそう書いてあった!!
「ここで死んだら、
あの方に、
会えなくなるわ!!」
必死にがちゃがちゃ、
ドアノブを回したり、
押したり引いたりしていたけれど、
ドアノブが、
火傷しそうな熱さになり、
絢香ちゃんの意識が、
遠のいた……。
気を失った絢香ちゃんに、
火の手が回る!!
絢香ちゃんの着物に、
火がついた!?
煙にまかれた絢香ちゃんは、
身体に燃え広がる火を
消す力はもはや無かった……。
液状化で、半分傾いた洋館が燃える!!
絢香ちゃんに似た、
小学生くらいの遙華ちゃんが、
庭に逃げた屋敷の使用人たちに、
抱き止められている!!
大人たちが、
火を消そうとしているが、
どんどん火が燃え広がる!!
あっちこっちで、火の手があがる!!
けっこう風が強い……。
「絢香お姉さま~!!」
遙華ちゃんの叫び声が、
響き渡る!!
あれは、
絢香ちゃんなのか?
大正……って、
関東大震災……が、
あったよな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます