I.C.〜アイドル・カウンセラー〜

信櫻 疾風

1 闇の追跡者

第1話 アイドルカウンセラー登場


・・・アイドルカウンセラ-

この言葉を聞いたことがないだろうか?

普通のカウンセラ-と違い、

芸能人、特にアイドルだけを専門としたカウンセラ-なのである。

仕事上ストレスがたまりやすく、そのストレスの発散できず溜め込んで

精神的に病んでしまったり、発散の方法を間違えてクスリに手を出したり、

ハメを外しすぎて問題行動を起こすことも・・・

そんな悲しい事件を防ぐため、アイドル達のメンタルな部分をケアすることができるのが、日本でただ一人存在する、アイドルカウンセラ-である!


そろそろ夜風に秋の気配が感じられる、ある日、

「ありがとうございました~またお願いいたします~」

コンビニの中に響き渡る声。

そこには一見どこにでもあるようなコンビニで働く青年がいた。

青年はもくもくと仕事をこなしていた。

そこに1人の客がくる・・・。

「いらっしゃいませ~」

カゴの中から商品を取り出す。

中には、大福餅ときんつば、あんころもちが入っていた。

そして客は「110円切手1枚、この封筒に貼ってくれないかな・・・」

と封筒を差し出した。

(依頼がきたか・・・)

青年はそう思った。

「少々お待ちください」

と、青年は事務室の中に入る。

事務室の中から110円切手を取ると急いでその封筒を

ポケットの中に入ってあった封筒とすり替える。

すり替えた封筒に切手を貼り、

「お待たせいたしました」

と客に渡しレジを打つ。

これがいつも、依頼がくる時のいつものパタ-ンだった。

「17円のお返しです、お確かめください」

そう言うと、

「明日午後4時に依頼者を行かせる。」

と手短に言い、客は店を出た。

青年は、

「ちょっとレジ、お願いします。」

ともう一人のアルバイトに声をかけ、事務室に入る。


オレは椅子に腰をかけると、さっきの封筒を開けた。

そして中に書いてある手紙に目を通す。

「・・・まじかよ・・・」

一瞬目を疑った。

依頼主の相手が・・・


・・・翌日

オレはちょっとした情報収集を終えて、小さいビルに向かっていた。

昨日働いていたコンビニが1階にあったが、今日はそこには用はない。

ビルの裏の入口から入り、階段をのぼって2階へ向かう。

2階に着いて、オフィスのドアの鍵を開ける。

ドアを開けて中に入り、机の上のPCにスイッチを入れる。

約束の時間までは、まだ時間がある。パソコンが立ち上がるまで、

コーヒーメーカーをセットして、3階に行く。

オフィスを開けるときのなんとなく染み付いたルーティーン。


3階の部屋のドアと中の部屋の窓を開けて空気の入れ替えをする。

もう二度と使わない可能性のある部屋・・・。

オレにとってここは、亡き兄貴の忘れ形見のようなところだ。

このビルだってそうだ、自分にとってはもったいない場所

元々は、大好きな人達のものだった場所。

それを、受け継いで守っている形をとっているに過ぎない。

空気を入れ替えて、機材のホコリを落として簡単に掃除をすると2階に降りる。


部屋に入ると部屋中がコーヒーの香りに包まれている。

ちょうど出来上がっていたようだ。自分の分をカップに注いで立ち上がったパソコンでメ-ルをチェックしていると・・・、

―トントン

ノックの音が聞こえる

「どうぞ」と言うと

「失礼します」

と1人の女性が入ってくる。

「お待ちしていました・・・自己紹介が遅れました。私がアイドルカウンセラ-の

 安海 楓雅(あつみ ふうが)といいます。」

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