概要
母が立ち上がれなかったので、二万四千円の請求が来た。
二〇四三年、日本。健康は、法律で守るものになった。
膨らみ続ける社会保障費を賄うため、政府は国民に体型と筋力の維持を義務づけた。基準を下回れば「健康維持負担金」。人々はそれを、罰金と呼ぶ。
区の身体適格判定員・三枝真帆は、毎日、人が椅子から立ち上がる回数を数えている。その母もまた、膝の痛みで基準を満たせず、請求書を受け取る一人だった。
米を一粒ずつ量る高校生。健康を売る配信者。自分の身体を痛めながら、できない人を受け入れる運動館の館長。老いも若きも、来月の罰金を払わずに済むよう、今日の身体を追い込んでいく。
やがて区は、百人が一斉に挑む公開測定会を開催する。母の名前も、その出場者名簿にあった。
桜色の請求書と、食卓のコロッケと、誰かの腕を借りて立つこと。
健康をめぐる可笑しくも切実な、近未来の群像劇。
膨らみ続ける社会保障費を賄うため、政府は国民に体型と筋力の維持を義務づけた。基準を下回れば「健康維持負担金」。人々はそれを、罰金と呼ぶ。
区の身体適格判定員・三枝真帆は、毎日、人が椅子から立ち上がる回数を数えている。その母もまた、膝の痛みで基準を満たせず、請求書を受け取る一人だった。
米を一粒ずつ量る高校生。健康を売る配信者。自分の身体を痛めながら、できない人を受け入れる運動館の館長。老いも若きも、来月の罰金を払わずに済むよう、今日の身体を追い込んでいく。
やがて区は、百人が一斉に挑む公開測定会を開催する。母の名前も、その出場者名簿にあった。
桜色の請求書と、食卓のコロッケと、誰かの腕を借りて立つこと。
健康をめぐる可笑しくも切実な、近未来の群像劇。
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